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オスプレイ配備への過程は原発再稼働とそっくり “官意”に従う野田首相の「決める政治」|田中秀征 政権ウォッチ|ダイヤモンド・オンライン

 首相はかねてから「日米同盟を深化させる」と言ってきた。同盟を深化させる最優先の課題は、日米両国民間の信頼関係を深化させることに他ならない。拙速なオスプレイ配備の強行は、対米不信を強め、同盟関係を土台から揺るがすことになるだろう。

 今回のオスプレイ配備の過程は、原発再稼働の過程とそっくり同じである。消費税増税のやり方も酷似している。結論が先にあって、その後に議論、調査、説明の場を設けて“ガス抜き”をし、最後に「打ち切り」と「一任」で「決める政治」を行う。その間に、着々と実務上の準備作業を重ねて既成事実を固め、後戻りできない状態に持ち込む。そうすれば世論は諦めざるを得ないと考えているのだろう。


 しかし、今の“民意”はそんなに甘いものではない。

 報道によると、菅直人前首相が野田首相に対して「『野田さん、あなたは国民の怒りの対象になっていますよ。分かっていますか』と言うと、野田さんは『え、そんなことになっているの』と言っていた」と講演で語ったという。(7月22日毎日新聞

 野田首相は母校早大での講演で、「決める政治を果敢にやり遂げていく決意だ」と強調したという。


 しかし、菅前首相が警告したように、野田首相の「決める政治」は民意を知らずに、ひたすら“官意”に従う政治という印象である。野田首相は、単に官意に従って決めているだけではないか。

 搬入を受け入れたからには「オスプレイは安全」という結論は、前もって決まっているのだろう。このまま、安全保障政策をめぐる国内の亀裂が深まることになれば、それこそ安全保障体制が弱まる結果をもたらす恐れがある。それは日米両国にとって最も不幸な事態である。