現在のヨーロッパの諸民族は大体キリスト教を奉じ，表向きにはキリスト教的文化を唯一の文化として生活しているのだけれども，ヨーロッパ文明の源流はギリシャに始まり，ギリシャ人の宗教と世界観と科学と文学と芸術がローマ人によって受けつがれ，それを他の諸民族がローマ人から受けついだのであって，それが今日もなお彼等の物質的・精神的生活を大きく支配していることは極めて明らかである。
殊に哲学・文学と美術の傑作は殆どすべて伝えられ保存されてきたので，各時代の哲学者・文学者・詩人・美術家はそれに刺戟され，鼓舞されて，いわゆるHellenismの文化の流れを培ってきたのである。
だから私たちが例えば英語の詩を読み，英語の小説をたのしむというような時に，必ずただちにぶつかるのはギリシャ文化なのである。そしてそれは多くギリシャ神話の形であらわれている。神話はその民族の世界構造と人間存在の理解の表現だからである。
キリスト教は父神一神教であり、父神が創造主を僭称して他の神々を消してしまっています。
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