下院が年内の採決を見送ったため、所得税などの減税措置が31日でいったん失効するが、法案が速やかに成立すれば「崖」からの転落の影響は一時的なものにとどまる見通しとなった。
米メディアによると、与野党が合意した回避策では、焦点の減税延長の対象について、一部富裕層を含む年収45万ドル(約3900万円)未満に設定。失業保険給付も延長され、遺産税(日本の相続税に相当)の税率も据え置かれる。2日に自動的に始まる予定だった国防費などの強制歳出削減を2カ月延期することも盛り込まれた。
一方で、財政赤字削減に向けた歳出削減など財政健全化策は先送りされた。オバマ大統領は31日の演説で、「中間層を増税から守ることが最優先だ」と強調し、財政再建策については段階的に対応すべきとの考えを示していた。