- 作者: 吉川英治
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/09/28
- メディア: Kindle版
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迷った時はあえて孤独に身を置き、自分の声に耳を傾けていると、道がぼんやり見えてくる時があります。
愚直だが短慮な青年「新免たけぞう」は、狼藉の罰として姫路城天守閣の書庫に閉じ込められますが、三年間の「ひきこもり」期間を経て「宮本武蔵」に生まれ変わります。
巻が進むに連れ、武蔵の存在を周りが認めます。
「あれになろう、これになろうと焦心るより、富士のように黙って、自分を動かないものに作り上げろ。世間へ媚びず、世間から仰がれるようになれば、自然と自分の値打は世の人が極めてくれる。」
そして、「宮本武蔵」にはもう一人見るべき人物がいます。お通です。
「あの橋で待っています。何年も何年も待っています。」そんな場面があります。通信手段もない時代、そんなことができるでしょうか。でもお通は本当に待つんです。今の日本の女性にはなかなかない、「真の強さ」を持つ、そんな女性です。
時代・舞台は違いますが、ユーゴの「レ・ミゼラブル」の読後感と相通ずるものも。
最初メインとなる登場人物から、時を経るにつれ増えていくキャラクター達。
そのすべてが数奇な運命の糸で結びつき、時に出合い、対峙し、別れていく。
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20100423#1271980790
テレ東さん、是非DVD化をお願い致します