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日刊ゲンダイ|歌舞伎座好調、弁当も手拭いもバカ売れで松竹ウハウハ

 松竹が“歌舞伎座バブル”で賑わっている。今年4月2日にオープンした新しい歌舞伎座こけら落とし公演が予想以上に好調で、収益を押し上げているのだ。


 こけら落とし最初の演目は「寿祝歌舞伎華彩」で、坂田藤十郎市川染五郎らが出演した。4〜6月は看板役者が勢揃いした1日3回の公演で1階1等席(正規料金2万円)が連日、完売する活況が続いた。7〜8月は染五郎らによる「東海道四谷怪談」、坂東三津五郎中村橋之助中村勘九郎らの「髪結新三」が話題になった。このため、演劇部門の営業利益は40億円で、前年同期実績の約20倍にも達した。


 3700円の「桟敷幕の内」、2000円の「座幕の内弁当」も飛ぶように売れている。
「お土産の人形焼きや手拭い、GINZAKABUKIZAコラボレート商品はもとより、ビールなど飲み物も売り上げ急増の状態です」(歌舞伎座関係者)


 その結果、13年3―8月期の売り上げは20%増の463億円で従来予想(454億円)を上回った。連結営業利益も当初は37億円を見込んでいたが、前年同期比約2.5倍の55億円前後になるもよう。


 下期は「仮名手本忠臣蔵」などの公演があり大入りは確実。このため14年2月期通期の売り上げ見込みの900億円は軽くクリアし、911億円。通期連結営業利益も前期比76%増の54億円だが、71億円へと上方修正になりそうだ。


 不動産部門も順調。賃貸23階建ての歌舞伎座タワーはほぼ満杯。年末まで100%入居率を目指している。
「ポイントは来年、大手広告代理店ADKが出ていく、築地松竹ビルの借り手が早期に見つかるかどうか。銀座松竹ビルに改名され、新賃貸先を選定中で、早く決まれば業績にも影響は出ないでしょう」(芸能評論家の金沢誠氏)


 看板役者の相次ぐ死で暗い話題の多かった松竹だが、一転して曙光(しよこう)がさし始めた。