どうやら安倍首相はこの個別の会議にも顔を出し、ダボス会議の常連とも言えるヘッジファンドのジョージ・ソロス氏と会って話をしたようである。さきほどの記事によると、安倍首相がジョージ・ソロス氏にかなり突っ込まれていたとの観測もあったとか。また、経済について聞いても首相からは気の利いた返答がなかったとの見方も流れていた。
リフレ的な政策を行う事になれば、円安・株高を招くとの見方を強め、その効果そのものへの期待よりも、過剰流動性相場への期待を強めた。欧州の信用不安の後退により、円が急落する余地が十分にあり、そこにまとまった仕掛が入ったことが、アベノミクスと呼ばれた政策の多くを占めるものとなる。つまり急激な円安株高を招いた。アベノミクスを打ち出したのはリフレ派であるが、そこで実際に動いたのはヘッジファンドなど海外投資家達であった。
ただし、リフレ政策の効果についてはソロス氏も懐疑的であったのではなかろうか。そのため、アベノミクスの中心人物である安倍首相に、直接対話できる場で意見を求めたのではなかろうか。その際、アベノミクスの効果、つまりは異次元緩和でどのようにデフレ脱却が可能なのかを適切に説明が出来たとは思えない。期待に働きかけるといっても、働きかけられる側の投資家が疑心暗鬼では効果が出るはずもない。