会談はホワイトハウスの「マップルーム」で行われた。大統領執務室「オーバル・オフィス」よりは重要度が下がるため、中国側に一定の配慮を示したとみられている。
Obama meets with Dalai Lama, upsetting China | Reuters
米大統領と会談 中国の対抗措置が焦点 NHKニュース
オバマ大統領は21日、ホワイトハウスでダライ・ラマ14世と2年7か月ぶりに会談しました。
ホワイトハウスのカーニー報道官は今回の会談でオバマ大統領がチベットの宗教の自由と人権の保護に強い支持を示したとしたうえで、「アメリカはチベットを中国の一部と認め独立を支持しない」と述べるとともに中国政府とチベット側の協議の再開を訴えました。
一方、ダライ・ラマ14世はNHKとの単独インタビューで「閉鎖的で検閲があり、透明性が低いというイメージは中国の将来にとって、ためにならないということを大統領に伝えた。13億人の人口を持つ中国は世界をよくするため、かなりの貢献ができる」と述べました。
会談を受けて、中国外務省の張業遂次官は北京駐在のアメリカの臨時代理大使を呼び、「強い憤りと断固たる反対を表明する。中国の内政に対する重大な干渉で、米中関係に加えアメリカ自身の利益も損なうことになる」と伝えました。
アメリカ側は今回の会談で、両国の協力関係に影響はないとしていますが、中国側は反発しており、今後、対抗措置をとるのかどうかが焦点です。
米大統領「チベット族人権擁護を」 ダライ・ラマに表明:朝日新聞デジタル
ホワイトハウスによると、オバマ氏はダライ・ラマの非暴力の姿勢や、中国からの独立ではなくチベットの高度な自治を求める「中道路線」を称賛。10年1月から中断したままの中国政府とダライ・ラマ側との直接対話を再開するよう促した。一方、オバマ氏は「チベットは中国の一部であり、チベットの独立は支持しない」とする米国の立場も強調。ダライ・ラマも、チベットの独立は求めず、対話再開を希望すると応じた。
会談は、記者団に完全非公開で、私的な会合などに使う「マップルーム」が使われた。ダライ・ラマを「中国分裂活動の従事者」と非難する中国政府に強く配慮した形だ。