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小保方晴子の不正事件が問うもの - 格差社会の分配と秩序と倫理 : 世に倦む日日

小保方晴子AO入試に合格したのは、人物評価で高得点を得る家庭環境の持ち主だったからと言われている。父親は三菱商事の役員(理事・事業本部長)で、母親は大学教授(心理学)、姉も大学の准教授(心理学)。

現在の厳しい就職戦線で、何が合否の決め手になっているかというと、言うまでもなく、縁故と人脈であり、その学生の家庭状況である。

小保方晴子からすれば、世の中の大学教授たちは、大なり小なり不正論文で博士の学位を得ていて、権勢を持った教授の依怙贔屓でポストを与えられ、不正と情実で癒着する親分子分が互いに目くばせしながら学術研究共同体を営んでいるのである。

どれほど優秀で才能のある努力家でも、貧乏な者は最初から大学院にも行けず、研究者にもなれないのである。

また、選ばれた裕福な者でも、要領の悪い者や、権勢者に取り入ってコネを作れないコミュ力不足(女子力不足)の者は、博士論文もパスせず、大学院を出て就くポストもないのだ。

民主制の形式をした貴族制の階級社会。文系の世界にも、小保方晴子は無数にいる。アカデミーだけでなく、新聞社、テレビ局、広告代理店に。永田町にも。霞ヶ関にも。他とは違う収入と名誉と自由が与えられるこの職場に、才能や実力とは無関係に、縁故と人脈の貴族制のルールで人が入っていて、奔放に資源を享受している。