ウクライナ、国民対話図る円卓会議開催 地方分権拡大を提案 | Reuters
ウクライナ暫定政権は14日、国民間の対話を図る円卓会議を開催し、地方分権を拡大させる方針を表明した。ただ東部の分離派は招かれておらず、緊張緩和にどの程度効力があるのか疑問も出ている。
トゥルチノフ大統領代行は席上、ロシア政府が「ウクライナ東部と南部の不安定化に向け組織的な行動」をとり、その結果「爆発寸前の事態」に陥ったとして厳しく非難。
ヤツェニュク首相は、「市民に向けて発砲したり殺りくを行ったりしない誰とも対話を行う用意がある」と述べた。
同首相は地方分権を推し進める方針を表明し、「憲法改正を通して、地方分権を推し進め、地方政府に一段の権限を譲渡し、(中央政府と地方政府との間の)真に均衡の取れた関係を構築していくことができる」と述べた。
ただ、親ロシア派勢力が主張している連邦制の導入については、中央政府の力が弱められ過ぎるとして、容認する方針は示さなかった。
この日の円卓会議には、暫定政権の閣僚、各政党の指導者、25日の大統領選挙の候補者のほか、財界人や地方政府の要人も参加。ただ、暫定政権が「テロリスト」と定義する東部の分離派は招かれなかったことで、批判も出ている。
ウクライナ東部で行われた住民投票の結果を受け、政府庁舎などの占拠を続ける親ロシア派は独立の方針を表明したのに対し、暫定政権は強制排除するための軍事作戦を続けており、緊張が高まっています。
こうしたなか、ウクライナの暫定政権は、OSCE=ヨーロッパ安全保障協力機構と共同で14日、キエフで地方の代表や有識者らを集めて幅広い政治勢力の結集を目指す「円卓会議」を開きました。会議では、緊張緩和のため自治権の拡大などについて話し合われ、会議のあとOSCEは、「今月25日に予定されている大統領選挙に向けて、今回の対話がウクライナ情勢の安定につながることを希望する」と評価していました。
しかし、会議では暫定政権のヤツェニューク首相が「われわれが対話するのは武器を持たない平和な市民だけだ」と述べるなど親ロシア派の代表の出席は認められませんでした。
これに対し、親ロシア派の幹部も会見を開き、「隣の国で行われている会議で、われわれには関係ない」として「円卓会議」を無視する考えを強調し、双方の対立は深まるばかりで、事態打開の見通しは立っていません。