香港で民主的な選挙を求める抗議活動が続くなか、ロンドンを訪問した香港政府の司法部門のトップ、袁国強司法官が、15日講演しました。
この中で袁司法官は、香港の警察が、デモの参加者を拘束する際、暴行を加えたとする映像が伝えられたことについて、映像はまだ見ていないとしながらも「私は検察当局も所管している。刑事責任を問う必要があるなら当局が独立した公平な立場で対処することを保証する」と述べ、適切に対処する考えを示しました。
一方、抗議活動のきっかけとなった香港のトップ、行政長官を選ぶ選挙制度の改革について袁司法官は「直接選挙によっておよそ500万人の有権者が、行政長官を選ぶのは間違いなく前進で、従来よりも民主的だ」と述べ、これまでの間接選挙とは異なると、その意義を強調しました。
さらに、袁司法官は、新たな制度では事実上、民主派の立候補の道が閉ざされることについては「香港は独立国家ではない」としたうえで、「中国政府は、選挙で選ばれた長官を認めることも、認めないこともできる」と述べ、選出された長官の任命を中国政府が拒否する事態を避けるための仕組みだとして、理解を求めました。