トップは「ミドルの連携」を望んでいる | BCG 組織が動くシンプルな6つの原則|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー
ネットとリアル、先進国と新興国、ハードとサービスの一体提供・・・・・・今やまったく異なるタイプのビジネスを、さまざまな部署横断で統合的に実行していくことが増えている。当然ながらマネジャーの調整ごとは飛躍的に増え、もはや対症療法では追いつかないほどだ。この現状を抜本的に解決するにはどうすればよいのか。新刊『組織が動くシンプルな6つの原則』(ダイヤモンド社)を著したボストン コンサルティング グループに聞いた。
「創業者やカリスマであればそういうこともできるだろう。でも、組織の中で仲間と育ってきたのに、トップになったからといってすべてを決めても部下はついてこないよ」
つまり、伝統的な日本企業ではトップダウンのリーダーシップを発揮するのが難しいというのです。トップにリーダーシップがないわけではありません。トップダウンで指示を出したい気持ちもあるといいます。ただ、やり方について試行錯誤しているのです。
そんなときに出会ったのが本書『組織が動くシンプルな6つの原則』でした。ここに書かれているのは、ひとつのリーダーシップのあり方です。すべてを自分で決めて、すべてを自分で動かすということではなく、必要な知識やノウハウを持っている人に権限を付与し、その人たちが部門を越えてチームワークを遂行する「場」が重要だということを知ったのです。ここに、日本企業のトップが抱える悩みを解決する糸口があるのではないかと考えました。
ある経営者が、こんなことをおっしゃっていました。
「各部門がそれぞれ断片的な情報を上げてくるので、全体像がつかめない」
さまざまな現場を見るなかで、私も同じことを感じていました。各部門を統括するミドル層はそれぞれの部門での情報や課題を正確につかんでいます。私の目から見ると、見え方こそ違いますが本質はすべて同じ情報や課題です。しかし、それをある方はリアルの立場、ある方はネットの立場、ある方はサービスの立場、ある方はハードの立場から報告するので、トップにはあたかも異なった情報や課題に見えてしまうのです。断片的で脈絡のない情報や課題を集めてトップ自ら統合し、最終的な意思決定を下すのは難しいと言わざるをえません。むしろ意思決定に必要な専門性を持ったミドル層が一堂に会し、そこで活発に議論を戦わせ、最終的にはトップのリーダーシップによって決断するほうが、はるかに迅速な意思決定につながるのです。
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20141105#1415184034
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20140627#1403866573