Parmenides' Grand Deduction: A Logical Reconstruction of the Way of Truth
- 作者: Michael V. Wedin
- 出版社/メーカー: Oxford Univ Pr
- 発売日: 2014/12/23
- メディア: ハードカバー
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感覚で捉えられる世界は生成変化を続けるが、そもそも「変化」とは在るものが無いものになることであり、無いものが在るものになることである。理性で考えれば「無」から「有」が生じたり、「有」が「無」になるのは矛盾である。パルメニデスは感覚よりも理性に信を置いて真に在るものは不変だと考えた。このことから感覚より理性を信じる合理主義の祖であると考えられている。
古代のプラトン主義者たちは、パルメニデスの思想の中にイデア説の原型を見出している。 つまり、理性でのみ把握される不生不滅の「有」の世界と、感覚で把握される生成流転する世界の二層構造を初めて見出したのがパルメニデスだ、というのである。 この解釈においても、パルメニデスは、感覚的経験を理性の下位においているのではあるが、決して無視しているわけではない。
現在でも、「ある」を存在の意味解釈するのか、叙述の意味でとらえるのか、 第三部の自然学的説明にどのような地位を与えるのか、 などの点において様々な議論があり、その解釈は一定していない。
また、プラトンも、『パルメニデス』という対話編を書いている。この中で、ソクラテスはイデア論をもってゼノンを論破したのちにパルメニデスと対話するのだが、今度は散々に論破されてしまうのである。 しかし、論破後、逆にパルメニデスはイデア説を一転擁護してみせる。そして、最後の第三部で、イデア論の最も微妙な議論が展開されてゆくのである。 これから読み取れることは、プラトンがパルメニデスを高く評価していたこと、また、そのイデア論がパルメニデスの深い影響下で成立したことである。
プラトンのイデア論はパルメニデスの不生不滅の考えとヘラクレイトスの万物流転の考えを調和させようとした試みであるとも言われている。
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