翁長氏は那覇市出身の64歳。
那覇市議会議員や沖縄県議会議員などを経て、平成12年から那覇市長を務めてきました。
また、自民党沖縄県連の幹事長も務めました。
今回の沖縄県知事選挙は、アメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設計画の賛否が最大の争点になりました。
選挙戦で翁長氏は、共産党、生活の党、社民党、地域政党の沖縄社会大衆党に加えて、一部の保守系の地方議員からも支援を受けて、移設計画に反対を主張し、去年の末に仲井真知事が行った辺野古の埋め立て承認の取り消しや撤回も視野に、知事の権限を使って、あらゆる手段で移設を止めると訴えました。
その結果、支援を受けた各党の支持層に加えて、支持政党を持たない無党派層など幅広い支持を集め、自民党と次世代の党が推薦する現職の仲井真氏ら3人を破り、初めての当選を確実にしました。
政府は、今回の選挙結果にかかわらず移設計画を進める方針ですが、計画に反対する翁長氏の対応によっては、今後のスケジュールに影響が出ることも予想されます。
翁長氏は「沖縄県民の皆様に心から感謝を申し上げたい。アメリカ軍の74%の施設が沖縄に集中するなかで、美しい海を埋め立てて新しい基地をつくることに県民は嘆き悲しんでおり、『もう勘弁してください』という切実な思いが今回の選挙にはあったと思う。普天間基地の国外県外移設、辺野古には新しい基地はつくらせない、オスプレイの配備撤回を1番の目標にしてきたので、しっかりと実行していくことに全力を尽くしていきたい。県民の心に寄り添い、県民の思いを大切にしながら、ぶれないで、県民に約束したことを実行し、私たちの子や孫に安心安全で、誇りを持てる環境を残していくために全力を尽くしていきたい」と述べました。
3期目を目指していた現職の仲井真弘多氏は「普天間基地の県外移設といっても、何年頑張れば現実に危険性が除去できるのか見通しがつかない。県内移設でもほとんど危険性がない状態にするというのが私の考えだが、きちんと有権者に浸透しなかったかもしれない」と述べました。
城間氏は沖縄県伊是名村出身の63歳。
中学校の校長を経て、那覇市の教育長や副市長を務めてきました。
今回の那覇市長選挙は、前の市長の翁長雄志氏が沖縄県知事選挙に立候補するため辞職したことに伴うもので、翁長氏の後継候補として立候補した城間氏は、翁長氏と連動した選挙運動を展開しました。
そして、「待機児童」を解消するため認可保育所の増加などに取り組むことや、空洞化が進む中心市街地で定住化策を進め活性化を図ることなどを訴えました。
その結果、支援を受けた各党の支持層に加えて、支持政党を持たない無党派層など幅広い支持を集め、前の沖縄県副知事の与世田氏を破り、初めての当選を確実にしました。
初めての当選を確実にした城間氏は「知事選挙で普天間基地の辺野古への移設に反対を訴えた翁長さんを支持する皆さんの力が、私にも向けられたと思う。保育園の空きを待つ待機児童の問題は、認可外保育園の認可をはじめ、学校の空き教室などを活用して定数の拡大をはかり、解消につなげたい」と話していました。
▽翁長雄志(無所属・新)当選、36万820票。
▽仲井真弘多(無所属・現)、26万1076票。
▽下地幹郎(無所属・新)、6万9447票。
▽喜納昌吉(無所属・新)、7821票。
投票率は64.13%で、前回(4年前)の選挙に比べ、3.25ポイント高くなっています。
▽城間幹子(無所属・新)当選、10万1052票。
▽与世田兼稔(無所属・新)、5万7768票。
投票率は65.25%と、前回(2年前)の選挙より25.82ポイント高くなりました。
16日、投票が行われた沖縄県知事選挙では新人で前の那覇市長の翁長雄志氏が、普天間基地の移設計画を容認する現職の仲井真弘多氏をおよそ10万票上回り、初めての当選を果たしました。
翁長氏は17日朝、那覇市内の自宅で報道陣の取材に応じ「今回の選挙は沖縄の新しい歴史の1ページだと思う。
改めて責任感、使命感が湧いてきた」と一夜明けた感想を語りました。
そのうえで「今後、さまざまな困難があることは理解しているが、辺野古に基地は造らせないという県民の民意を内外に示していきたい」と述べ、普天間基地の移設計画に反対していく考えを改めて示しました。
また、自身の得票率が50%を超えたことについて問われると、「民主主義は多数決であり、今回の選挙結果に配慮できないようでは世界から見て日本の大変な損失になる」と述べ、政府は今回の選挙結果を重く受け止めるべきだという考えを示しました。
敗れた仲井真氏「思いもよらない結果」 沖縄知事選:朝日新聞デジタル
「思いもよらない結果」。仲井真氏は、午後8時20分ごろ、那覇市の事務所で深々と頭を下げた。だが、敗北の理由については「辺野古移設という現実的な選択で収めないと解決の見通しがつかない。私の考えが(有権者に)通っていなかったのか」と首をひねった。
名護市辺野古の埋め立てを認める2日前の昨年12月25日。首相官邸で安倍晋三首相から振興予算の増額を約束された仲井真氏は、報道陣を前に「いい正月になるなあ」と、にこやかに語っていた。
生活の党
代表代行・幹事長 鈴木克昌
これまでの選挙は、基地をはさんで保革に分かれ、経済か平和を中心とする選択を県民に迫るものでした。しかし今回の選挙では、そうしたイデオロギー対立ではなく、県民との公約を遵守できるリーダーか否かが問われました。 沖縄県民の多くの皆様が、オール沖縄の『建白書』で先導的役割を担い、信念のぶれない翁長雄志候補を新しい知事に選ばれたことに心より敬意を表します。