フランスでは、今月7日にパリの新聞社「シャルリ・エブド」が襲撃されたのをはじめ、テロ事件が相次ぎ、合わせて17人が死亡し、3人の容疑者が殺害されたあともフランス政府は最高度の警戒レベルを続けています。
これについてバルス首相は12日、フランスのニュース専門チャンネルに出演し、食料品店に立てこもって4人を殺害したクーリバリ容疑者について「共犯者がいるのは間違いない」と述べました。
そして、当初警察がクーリバリ容疑者とともに写真を公開したブメディエンヌ容疑者については、すでにトルコかシリアに入国しているとしたうえで、さらに別の共犯者がいるとして捜査を続ける考えを示しました。
バルス首相は、また容疑者どうしが刑務所で知り合ったとされていることを受けて、イスラム過激派の思想を持つ受刑者についてはほかの受刑者から隔離し、刑務所内での過激な思想の広がりを食い止めたい考えを明らかにしました。
さらに、今回のテロ事件では、治安当局が3人を把握しながら事件を防げなかったため、バルス首相は今後、監視対象の人物の通話を警察などが傍受する際の手続きを簡素化するなどして対策を強化する考えを示しました。
フランスで17人が死亡した一連のテロ事件を受けて、アメリカのケリー国務長官は訪問先のインドで会見し、今月15日に事件後初めてフランスを訪れることを明らかにしました。
またケリー長官は、11日にパリで行われたデモに各国の首脳が参加するなか、オバマ大統領やみずからが参加しなかったことについて問われると、「今回の事件を受けて、われわれが感じている悲しみや団結の気持ちをフランスの人々は理解してくれていると思う」と述べました。
フランスで先週起きた一連のテロ事件の犠牲者は17人に上りました。
7日、パリ中心部にある新聞社「シャルリ・エブド」への襲撃事件では、新聞社の本社やその周辺で12人が死亡しました。
当時、編集会議に参加していた47歳の編集長、シャルブさんや4人の風刺画家、それにコラムニストなど、新聞の制作に携わっていた人に加えて、シャルブさんの警護を担当していた警察官や、たまたま居合わせた客が含まれていました。
さらに、新聞社が入っているビルの受付をしていた男性と、異変を知って新聞社に駆けつけようとした警察官も射殺されました。
警察官は、アルジェリア系の移民の家庭で育ったイスラム教徒でした。
その翌日、8日にパリ南部で発生した銃撃事件では、女性警察官1人が死亡しました。
この銃撃事件の容疑者は9日、パリ東部にあるユダヤ教徒向けの食料品店に人質をとって立てこもり、このうち22歳の従業員と店内にいた客、合わせて4人を射殺しました。
4人はユダヤ教徒でした。
4人の遺体はイスラエルに運ばれて埋葬されるということです。