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お山の幼稚園から山の学校へ、そして | 中務哲郎

お山の幼稚園の特色はあまたあるでしょうが、私が最も深く共感したのは、園児が家から山の上まで歩いて通うことと、園長先生指導のもとでの俳句の暗誦でした。

大学生の国語力の低下が嘆かれて久しいのですが、その根っこにある原因は、家庭における幼時の過ごし方ではないかと考えられます。

現今の交通事情では、子供が路上で缶蹴り、隠れん坊、縄跳びなどをすることもできません。巧まずして体を鍛えることになる遊びができないのも、今の子供たちの不幸でしょう。

お山の幼稚園の教育理念は変わっていないと思いますが、翻って、私が30年身を置いた大学の変わりようには激しいものがありました。1991年、大学設置基準の大綱化と称して、一般教育と専門教育の編成が各大学の自由裁量に任されるようになりましたが、その結果は、教養教育のなし崩しの崩壊でした。

学生に不人気だから廃するというのは考え方が逆で、大学としてどのような教養を備えた人間を育てたいかを示すべきなのです。

機械技術の進歩は留まるところを知らず、世の中は便利になる一方ですが、私は便利が一つ増えれば、その蔭で失われるものは何層倍もあると考えています。

しかし、否応なく便利なものを使い、あるいはそれに使われざるをえないこれからの世の中で、最後まで必要なのは、自分の脚で歩き、自分の頭で考えることでしょう。

大学に不満を感じながら何一つ変えることもできずに退職した者として、山の学校の理念と方法に期待するところ大きく、山の学校のますますの発展を願って止みません。

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