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宝塚ジャーナル : 12年ぶりの再演!宝塚宙組公演『王家に捧ぐ歌』制作発表会見リポート

木村 今、ヴェルディというお話がございまして、いつ『アイーダ』を知ったのだろう、と改めて考えておりました。一番最初に観たのは、舞台でもDVDでもなくて、30年ほど前初めてスカラ座が来日した時に、当時家にビデオもなかったのですが、テレビで放送されたものを観たのだと思い出しました。この作品については、愛と平和ということをよく言われるのですが、本当のことを言いますと一番最初に脚本を書いた時に思っていたことは、ただ愛だけでした。1人の人間と1人の人間が結ばれる時に、その愛を神や国、思想やしきたり、その他あらゆるものが邪魔をしないで欲しい、ということから書いたのだと言うことを、今回改めて台本をチェックして思い出しました。その一番最初の自分の衝動にもう一回戻って、この作品を演出し直してみたいと思っています。

──新しい生徒によって新しい作品になるというお話がありましたが、このコンビだからこそ最も目指したい方向性は?
木村 今一番思っているのは「月の満ちる頃」のロマンチックな部分を強調できるカップルだろうということです。その甘いところをきちんと演出したい。作品としては一番最初に言いましたように、愛、ただそれだけという方向でと思っていますので、歌詞も少し変えていまして、まず2人、『朝夏に捧ぐ歌』だけでなく、『朝夏と実咲に捧ぐ歌』なので(笑)、このコンビがまず確立してそこから世界が広がっていく形で演出をしていけたらいいなぁと思っています。今、スケールが大きいという話がありましたが、世界がどんなに大きかろうとまず2人、そこから話を広げて行こうと思っています。

──その木村先生の思いを受けてお二人はどのように?
朝夏 まず愛というお話がありましたが、私も初演を拝見した時に、平和がすごく印象に残っていたのですが、でも今回は愛を重点的にということで、やはり私もラダメスという将軍が戦士でありながら、1人の女性を愛しているが故に戦いをやめたいという、そのくらいの信念があるので、「アイーダの信念」という歌もありますが、ラダメスの信念もしっかりとリアリティをもって、演じたいにと思っております。
木村 ラダメスの愛は真っ直ぐいって欲しいですからね。
朝夏 はい、ストレートに頑張ります。
実咲 2人の愛を私も強く、強く出していけたらなと思います。アイーダは「戦いは新たな戦いを生むだけ」という強い信念を持って生きている1人の女性ですので、朝夏さん演じる包容力あふれるラダメスに、アイーダの全てを捧げたいと思います。
木村 頼ってはダメだよ、自立してないと。
実咲 はい(笑)。
木村 歌詞を書いた時に、男性への夢も託しながら、それと伯仲するような、ある意味では男性を追い抜いてしまうような娘役と男役の関係を、是非宝塚で書いてみたいと思ったので、頼るのではなく自立してね。

宙組公演 『王家に捧ぐ歌』 | 宝塚歌劇公式ホームページ
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