https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

中国 預金保険制度きょうから始まる NHKニュース

預金保険制度は、金融機関が経営破綻した場合に、預金者が預けているお金を一定の範囲で保護する制度です。
日本やアメリカなど多くの国が採用していますが、中国でも新たな条例が1日から施行され、預金保険制度が始まりました。
中国の制度は、金融機関が経営破綻した場合、預金者1人当たり、元本と利息を合わせて50万人民元(日本円でおよそ960万円)までの預金を保護するとしています。
これにより、中国国内の預金者の99.63%は預金が全額保護されるということです。
また、預金保護の財源に充てるため、国内の金融機関には保険料の支払いを義務づけますが、金融機関に同じ割合で支払いを求める日本とは異なり、中国は、経営が健全な金融機関ほど保険料の料率が低くなる仕組みを採用しています。
中国は長年、経営不振に陥った金融機関に公的資金を投入するなど銀行業を手厚く保護してきました。
しかし習近平指導部は金融改革に力を入れ、銀行が企業に融資する際の金利を自由化したほか、民間資本による銀行業への参入も促しています。
今回、預金保険制度を新たに始めたことで、改革に弾みがつき銀行の経営の健全化と金融システムの安定化が進むか注目されます。

中国で預金保険制度が始まったことについて、中国経済に詳しい野村資本市場研究所北京事務所の関根栄一首席代表は、「中国が金融改革を行うための大前提ができた。地域の産業の構造や、預金者のニーズにあった銀行の経営をしていくことが今後重要になり、預金保険制度の創設で、新たな地域金融のモデルを作っていけるかが中国の金融機関の課題だ」と指摘しました。
また、今後の中国経済に与える影響については、「中国経済は、成長の速度より質を重視する『ニューノーマル』のもとで、新しい産業を興して古い産業をとう汰していく企業の新陳代謝を重視している。これを金融面から促すのが金利の自由化であり、預金保険制度の創設は金利の自由化と一体のものだ」と述べました。
さらに、中国の銀行と取り引きがある日本企業への影響については、「中国の銀行は日本の企業のことをよく知らないので、どうしても貸出の際の金利が高くなりがちだが、制度の導入で銀行のサービスが向上すれば、日本の企業にとっても調達コストが安くなる可能性がある」と述べました。