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宝塚ジャーナル : 充実の二本立てで新トップコンビお披露目!花組公演『カリスタの海に抱かれて』『宝塚幻想曲』

シャルルの着任した日はカリスタでは「アルドの命日」と呼ばれる日だった。かつてカリスタを独立に導こうとし、火刑に処せられた独立運動のリーダー、アルドの命日であり、彼の残した「今日、この日に生まれた男子が島を独立へと導く」という遺言通りに、今はカリスタ独立の為に戦う活動を率いているロベルト・ゴルジ(芹香斗亜)の誕生日だった。だが、この日にカリスタに生を受けた男子はもう1人いた。それがシャルルだった。シャルルはフランス本国の動乱に乗じて、カリスタを無血独立へと導こうという大きな野望を胸に、カリスタへとやってきていた。


シャルルは幼馴染であり、唯一の友と信じるロベルトに、この無血独立の計画を打ち明ける。だが、シャルルがカリスタを捨ててフランスに渡ったと思い込んでいるロベルトは容易に心を開こうとはしない。ましてフランスから長く迫害を受けてきたカリスタの人びとが、シャルルの言葉に耳を貸すはずがなかった。けれどもロベルトの許婚アリシア・グランディー(花乃まりあ)だけは、シャルルの思いを受け留め、一目で信じるに足る人物だと感じていた。一方シャルルもまた、フランスではついぞ会ったことがなかった心のままを素直に口にする娘であるアリシアに惹かれていくが、そのアリシアが親友と恃むロベルトの許婚だと知って……。

大の宝塚ファンを公言している大石静の脚本は、人物造形の中に、そもそも幻想性がある宝塚ならではの特性を実に良く活かしていて、世の中が大きく変わろうとする動乱期に、一目で恋に落ちる一組の男女、友情、三角関係、そして生きていく上で避けられない他者との関わりを怒涛のように展開して観る者を飽きさせない。

花組公演 『カリスタの海に抱かれて』『宝塚幻想曲(タカラヅカ ファンタジア)』 | 宝塚歌劇公式ホームページ

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