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ギリシャ国民投票 有権者の選択に注目 NHKニュース

ギリシャ国民投票はEUなどから求められている財政緊縮策を受け入れるかどうかを問うもので、投票は現地時間の5日午前7時、日本時間の5日午後1時から始まりました。
このうち、アテネ中心部の小学校に設けられた投票所には朝から有権者が次々に訪れ、投票用紙の賛成か反対かを示す欄に印をつけて封筒に入れ、一票を投じていました。
反対への投票を呼びかけてきたチプラス首相は、投票終了後「誰も国民の意思を無視できない。結果を楽観している」と述べて、反対票が過半数になることに自信をのぞかせていました。
一方、ギリシャの前の首相で最大野党・新民主主義党を率いるサマラス党首は、「私たちはギリシャに賛成票を投じ、ヨーロッパに賛成票を投じている」と述べ、緊縮策の受け入れに賛成する立場を改めて強調しました。
国民投票の結果、反対が過半数となれば、ギリシャはEUなどから金融支援を受けられずにユーロ圏から離脱する可能性もあり、ユーロの信用が損なわれ、混乱が生じるおそれが指摘されています。
一方、賛成が過半数となれば、EUなどからの支援再開に道が開かれることになり、ギリシャ国民の選択が注目されます。投票は日本時間の6日午前1時までで、即日開票され、大勢が判明するのは6日朝の見通しです。

ギリシャ国民投票は、EU=ヨーロッパ連合などが金融支援の条件とする財政緊縮策を受け入れるかどうか、国民に賛否を問うものです。
投票用紙には「EU、ヨーロッパ中央銀行、そしてIMFから6月25日に示された提案を受け入れるべきか」という質問が書かれていて、上の段に受け入れに反対を示す「OXI(おひ)」、下の段には受け入れに賛成を示す「NAI(ね)」の欄があり、どちらかにチェックを付けるようになっています。
投票できるのは、ギリシャ国内に住む18歳以上の800万人余りの有権者で、投票率が40%以上になると有効となります。
また賛成、反対のどちらかが1票でも上回れば、それが投票結果となり、チプラス首相は「どちらの結果が出ても、尊重する」という考えを示しています。投票は、5日の午前7時から午後7時まで日本時間の5日午後1時から6日午前1時までで、即日開票され、大勢が判明するのは6日朝の見通しです。国民投票にかかる費用は2000万ユーロ、およそ27億円ですが、ことし1月に行われた議会選挙のおよそ半分に抑えられるということです。

今回の国民投票では、「EU、ヨーロッパ中央銀行、そしてIMFから6月25日に示された提案を受け入れるべきか」という質問に対し、「はい」か「いいえ」で答える形になっています。
投票用紙に「提案」の具体的な内容は書かれていませんが、EU側が6月25日に示したのは、歳出の削減と歳入の増加からなる財政緊縮策です。
具体的には、公務員の早期退職制度を見直すことや、年金の支給開始年齢を段階的に引き上げて2022年までに一律67歳とすること、さらに低く抑えられている年金受給者の医療費負担を増やすことなどが盛り込まれています。
一方、歳入の増加策としては、付加価値税の税率の引き上げや、ギリシャの島しょ部に対する税の優遇措置の見直し、さらに脱税や所得隠しを処罰するための新たな法律の導入を求めています。

ギリシャ国民投票に使われる投票用紙は、財政緊縮策の受け入れ反対を示す「いいえ」にあたる「OXI(おひ)」ということばが上に記載され、賛成を示す「はい」にあたる「NAI(ね)」ということばが下になっています。
一般的な投票用紙とは異なっていることについて投票前日の4日、首都アテネで市民に聞きました。65歳の弁護士の男性は「チプラス首相は、ヨーロッパにとどまることを希望する市民にも『ノー』と投票させようとしている」と話していました。また、33歳の公務員の女性も「彼らが望む結果を得られるように作られたもので、この投票用紙は民主主義からかけ離れている」と話すなど、市民からは、受け入れ反対を訴えるチプラス政権が、「NO」と投票するようしむけたものだとして、批判する声が聞かれました。

ギリシャでは、2009年、歴代の政権が財政収支を粉飾し、巨額の財政赤字を隠していたことが発覚し、財政危機に陥りました。支援要請を受けたEU=ヨーロッパ連合などは、ギリシャ財政再建に取り組むことを条件に、2010年と2012年の2度にわたり、総額2400億ユーロ、日本円でおよそ33兆円の金融支援に乗り出します。
支援は、ギリシャが公務員の削減や増税などの緊縮策を着実に進めているかどうか、数か月おきに検証しながら、段階的に実行されました。
しかし、ことし1月に発足したチプラス政権は、緊縮策はギリシャ国民に痛みを強いているなどと主張し、見直しを要求。反発したEUなどの債権者側は、ことし2月に実行する予定だったおよそ1兆円の融資を凍結します。
双方は、この融資の期限である6月30日までに合意をまとめようと話し合いを続けましたが、緊縮策の継続を求めるEU側と、見直しを主張するギリシャ側との溝は埋まりませんでした。
話し合いがこう着状態に陥るなか、ギリシャのチプラス首相は、突然、緊縮策の受け入れの賛否を問う国民投票を今月5日に実施すると発表。これにEU側は激しく反発し、双方の主張の溝が埋まらないまま、ギリシャへの金融支援は6月末で失効しました。ギリシャは同じ日に返済期限をむかえたIMF国際通貨基金への債務返済ができず、先進国で初めて延滞国と認定されました。
資金繰りが厳しさを増したギリシャは、銀行からの預金引き出しを制限するなどの資本規制を導入し、市民生活への影響が広がっています。

ギリシャの経済規模は、ユーロ圏全体のGDPのおよそ2%にとどまり、仮にギリシャ経済が危機的な状況に陥っても、全体への影響は限られるとみられています。
また、信用不安が拡大した際に、ユーロ圏が財政危機に陥った国に対する支援の仕組みなどを整えたことや、ヨーロッパ中央銀行が各国の国債を買い入れ、市場に大量の資金を供給する量的緩和を続けていることなどから、金融市場への影響も限定的だという見方が大勢となっています。その一方で、国民投票で、財政緊縮策が拒否されれば、ギリシャのユーロ圏からの離脱が現実味を帯びてきます。
ユーロ圏では、加盟国の離脱は想定されておらず、これまで経験したことのない事態となり、混乱が生じるおそれがあります。ギリシャがユーロ圏から離脱すれば、ヨーロッパ統合の仕組みが失敗したと受け止められ、通貨ユーロの信用が大きく損なわれかねません。
さらにヨーロッパ各国で、EU主導の財政緊縮策に反対する政党や反EU的な主張を掲げる政党が勢いを増し、ヨーロッパ統合の流れに逆行する動きが強まる可能性があります。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20150704#1436007289
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20150703#1435919947