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ギリシャ資本規制 経済活動への影響広がり懸念 NHKニュース

ギリシャの債務問題を巡っては、ユーロ圏各国が今月末で金融支援を終了する方針を示したことを受け、ヨーロッパ中央銀行ギリシャの銀行への資金繰り支援は続けるものの、供給する資金の上限額の引き上げを見送りました。これを受けて、ギリシャ政府は、銀行の資金繰りを確保しようと、引き出せる現金を1日60ユーロに制限するなどの資本規制の実施を決めました。
この発表から一夜明けた29日、首都アテネ市内の商店は通常の営業を続けており大きな混乱は出ていませんが、国内の銀行は、すべて休業したままとなっています。ただ、午後から引き出し額を制限しながらもATMは稼働させるという情報もあり、高齢者を中心に数十人の市民が集まっている銀行の支店もありました。市民の一人は「引き出せる金額には制限があるので、現金が必要になったときに心配です」と不安な表情を浮かべていました。
ギリシャ政府は資本規制は6日までとしていますが、ギリシャ証券取引所が銀行の休業期間中は取り引きを行わないと発表するなど、経済活動への影響が今後、どこまで広がるのか懸念されています。

ギリシャのチプラス首相が、預金引き出し制限を発表して一夜明けた29日、首都アテネにある銀行「ナショナルバンク」の支店には、早朝から、住民たちが列を作りました。
ギリシャ政府は、財政緊縮策の賛否を問う国民投票の翌日の来月6日まで、国内銀行を休業すると発表していますが、それでも住民たちは、いてもたってもいられず、集まった様子でした。また、支店には2台のATM=現金自動預け払い機がありますが、預金を引き出せずにあとにする人の姿が見られました。

フランスのオランド大統領は29日朝、関係閣僚を集めて緊急の会議を開き、今後の対応を協議しました。会議のあとオランド大統領は記者団に対し「支援を巡る交渉を打ち切ったのはギリシャ政府で、とても残念に思う。来月5日の国民投票は、ギリシャがユーロ圏にとどまるか否かの選択になる」と述べて、交渉の行き詰まりに危機感を示しました。そのうえで、「ギリシャとの合意はまだ可能だ。交渉の再開をフランスは支える用意がある」と述べて、ギリシャ政府に交渉の場に戻るよう呼びかけました。
パリの株式市場では29日、株価が大幅に値下がりしていますが、オランド大統領は「市場は不安を持っているが、ユーロ圏では投機的な取り引きに対抗するための措置がすでにとられている」と述べたうえで「前回のギリシャ危機では混乱が生じたが、現在のフランス経済はより、しっかりしており、懸念する必要はない」と述べて、フランス国民に冷静な対応を呼びかけました。

ギリシャの債務問題では、これから来月にかけて、節目となる日程が相次ぎます。今月30日には、EUなどによる金融支援が終了する一方、IMF国際通貨基金に対する日本円でおよそ2000億円の債務の返済が期限を迎えます。
IMFへの債務はギリシャ政府が、当初、今月4回に分けて支払うことになっていましたが、財政状況が厳しいことから、月末に一括して返済することになりました。しかし、先週末のユーロ圏財務相会議での協議が決裂し、金融支援が得られていないため、返済のめどはたっていません。
IMFのラガルド専務理事は、今月18日「返済がなければ、ギリシャは7月1日にデフォルト=債務不履行になる」と明言していますが、通常、IMFは、返済が滞った場合でも直ちにデフォルトとは判断せず、まず延滞している債務の支払いを相手国に督促することになっています。


次の重要なタイミングは来月5日に予定されるギリシャ国民投票です。これはユーロ圏各国が示した財政緊縮策を受け入れるか否かを問うものです。ギリシャの最新の世論調査では、緊縮策を受け入れてもよいと答えた人が、回答した人の半数近くに達していますが、ギリシャ政府は受け入れ拒否を呼びかけています。緊縮策を受け入れた場合、ユーロ圏各国にとっては望ましい結果で、ギリシャへの金融支援の協議再開に向けて道を開く可能性があります。逆に国民投票で拒否が多数を占めた場合、金融支援の再開の見通しも立たなくなります。
来月20日には、ヨーロッパ中央銀行保有する巨額のギリシャ国債の償還期限を迎えます。ギリシャは、日本円にして5000億円近くを支払わなければなりません。それまでに、EUなどから金融支援を受けられなければ、デフォルトになるとの見方が強まっています。