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ノーベル物理学賞の南部陽一郎さん死去 NHKニュース

南部さんは大正10年に東京で生まれ、幼いころを福井市で過ごしました。旧東京帝国大学を卒業し、のちにノーベル賞を受賞した朝永振一郎さんのもとで研究生活に入りました。
大阪市立大学の教授を経て、昭和27年、研究の場をアメリカに移し、シカゴ大学の教授を務めました。昭和45年にはアメリカ国籍を取得しています。南部さんは、物質を構成する最も基本的な粒子である「素粒子」の研究に取り組み、かつては対称に動くと考えられていた「粒子」と、電気的に反対の性質を持つ「反粒子」が対称でない動きをする場合があることを理論的に予測しました。この理論は「対称性の自発的破れ」と呼ばれ、その後の素粒子物理学の発展に大きな影響を与えました。
また、ビッグバンの直後、宇宙が急速に冷えて性質が大きく変わったという画期的な理論を提唱し、半世紀以上たって「ヒッグス粒子」とみられる粒子の発見へとつながりました。こうした功績により、昭和53年に文化勲章を受章し、7年前の平成20年には、益川敏英さん、小林誠さんとともに、ノーベル物理学賞を受賞しました。
シカゴ大学の名誉教授に加え、4年前には大阪大学大阪市立大学のそれぞれ特別栄誉教授となり、自宅のある大阪・豊中市アメリカを行き来する生活を送っていました。豊中市大阪大学によりますと、南部さんはことし5月に体調不良を訴えて大阪市内の病院に入院し治療を受けていましたが、容体が悪化し、今月5日の午後8時すぎ、急性心筋梗塞のため亡くなりました。

南部陽一郎さんは、現在の素粒子物理学の基礎となる新たな理論を世界に先駆けて次々と発表し、その後の研究に大きな影響を与えました。
南部さんの最大の功績とされるのが、物質を構成する最も基本的な粒子である「素粒子」の研究で、「対称性の自発的破れ」と呼ばれる現象を理論的に予測したことです。この理論は、宇宙がどのように成り立っているかをひもとくもので、それまでは電気的に反対の性質を持つ「粒子」と「反粒子」は鏡に写したように対称に動くと考えられていたのに対し、南部さんは、対称でない動きをする場合があることを示しました。この結果、宇宙が誕生したあと「粒子」だけが残り、星を初めとしたさまざまな物質を形作ったと考えられています。
この理論はその後の素粒子物理学に大きな影響を与え、南部さんは平成20年にノーベル物理学賞を受賞しました。このほか、南部さんは素粒子のひとつ「クォーク」の研究などでも高い評価をうけていて、理論物理学の分野で優れた業績をあげた人に贈られる「オッペンハイマー賞」や、アメリカのノーベル賞と言われるベンジャミン・フランクリンメダルなど、世界のさまざまな賞を受賞しています。