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安倍首相の歴史修正主義を、赤川次郎と高橋源一郎が痛烈批判「国家サイズのモンスターペアレンツ」「安倍首相にとって命は数字に過ぎない」|LITERA/リテラ 本と雑誌の知を再発見

 というのも、赤川氏の父親は、満州に渡り、満州映画協会(満映)に勤めていた。この満映を率いていたのは陸軍軍人の甘粕正彦アナキスト大杉栄と内縁の妻で婦人解放運動家の伊藤野枝、大杉の甥の3名が憲兵隊によって殺害された「甘粕事件」の首謀者とされる人物だ。赤川氏の父は甘粕大尉の側近だったが、なんと甘粕大尉は高橋氏の大叔父にあたるというのだ。

「僕たちが見聞きした話って、情報ではないと思うんです。僕たちは戦争に行った人たちの話をダイレクトに浴びて育ったわけで、それは「資料」でも「情報」でもない。戦争に対する態度とか、こういうものがあったという「物語」として、戦争の歴史を受け取っているんです。


 ところが最近、従軍慰安婦問題にしても、ものすごく細かい情報を集めて、この資料にはこう書いてあるから慰安婦問題はなかったという言い方が、増えてきていると思いませんか。これは右翼と言われる人たちも同じで、全部資料に頼るでしょう」(高橋氏)


 この高橋氏の言葉に対し、赤川氏も「私たちは物語を聞いているわけです。その物語は、ちゃんと人間が生きている話です」と同意する。


「でも、安倍さんたちが言うのは「数字」なんですよ。南京大虐殺だって三十万人も死ぬわけがないだろうというね。じゃあ十万人ならいいのかっていう話になりますよね。あの人たちにとっては、人の命は数字にすぎないんです」(赤川氏)


 数字にこだわるのは、戦争の問題だけではない。株価、人口といったように、経済の問題でも“全部数値にならないと証明されたことにならない”。そのような空気によって、当事者たちの「物語」は、「数」の論理でかき消されようとしている──。

 歴史を修正することは「愛国」ではない、むしろ愛がわかっていないのだ──。そう指摘する高橋氏と赤川氏は、現状の日本を「国家サイズのモンスターペアレンツ」と表現する。「あいつは敵でこいつは味方」と単純に切り分け、「わかりやすさ」を求める、それが安倍政権の姿だと。

「数」を絶対視したり、敵と味方に分ける「わかりやすい」論理にかどわかされないこと。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20150812#1439375655
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20150802#1438512278
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20150627#1435401472


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