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経営者として成功したければ、成功者に学べ|小宮一慶の週末経営塾|ダイヤモンド・オンライン

 もちろん、失敗からは多くのことが学べます。自身の失敗で痛い目にあったことや、他者の失敗を教訓にすることはもちろんあります。むしろ、失敗からもしっかりと学ぶ姿勢が大切です。しかし、失敗の反対のことをしたからといって必ずしも成功するものではないのです。


 このことに気づくヒントになったのが、小説『アンナ・カレーニナ』の有名な冒頭の一節でした。「幸せな家庭というのは一様に幸せだけど、不幸な家庭は様々に不幸である」。


 ビジネスも同じなのです。失敗にも様々なパターンがありますが、成功は1つのパターンのように私には思えます。失敗には、経営者が方向づけを誤ったり、実力以上の過度の投資や借入を行う、さらには、後継者や部下の育成の失敗、経営者の公私混同など、さまざまな失敗の要因があります。しかし、成功は私からみれば1つのパターンなのです。


 結論から言えば、どの会社も、「お客さま」や「従業員さん」を大切にしています。そして、「お金」も大切にしています。そして、順序としては、まず「お客さま」、次に「従業員さん」、最後に「お金」を、この順番で大切にしています。「お客さま第一」を徹底し、働く喜びを従業員に感じてもらい、稼いだお金を無駄に使わず、投資や教育にきちっと使うということです。

 独立する際、私は二人の著者の本を徹底的に読みました。一人は松下幸之助さん。戦後、最も成功した経営者です。もう一人は、ピーター・ドラッカー。20世紀後半、マネジメントに関して、それから経営コンサルタントとして最も成功した人と言えます。この二人の思考パターンを身につけたいと考えました。

 リーダーには厳しさが必要なのです。甘いリーダーでは組織は育ちません。厳しさの根底にあるのは「信念」だと私は思っています。この会社によってお客さまや働く仲間、そして社会を豊かに、幸せにしようとする信念です。


 そして、もうひとつ大切なのは、相手の人間的な尊厳に対して優しさを持てることです。言うことは言うが、人間としての相手には優しさを持つのです。これには、普段から、人というのはどういうものかということを考えていなければなりません。人の喜びや悲しみを理解し、共感できることが大切です。