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G20閉幕 中国経済と米の利上げに懸念 NHKニュース

日本やアメリカ、中国など主要20か国によるG20は4日からトルコのアンカラで開かれ、2日間の議論を終えて閉幕し、声明を発表しました。
声明ではまず、世界経済の現状について「経済の成長は、われわれの期待に届いていない」として、前回4月よりも厳しい表現で、中国経済の減速やそれに伴う世界同時株安などの金融市場の動揺で、世界経済に不透明感が強まっていることへの警戒感を表しました。
また、「通貨の競争的な切り下げを回避する」として自国の輸出に有利になるよう意図的に通貨を切り下げる「通貨安競争」をしないことを明記し、先月、通貨・人民元の基準値を相次いで引き下げた中国をけん制する形となっています。
一方で、「経済見通しの改善に沿っていくつかの先進国で金融政策の引き締めの可能性がより高まっていることに留意する」という文言が盛り込まれ、新興国で強まっている資金流出に伴う通貨安などへの懸念を踏まえ、名指しはしないものの事実上、アメリカに対しゼロ金利政策の解除による利上げは慎重に判断するよう求めています。
このように今回のG20の声明では、リーマンショック以降、世界経済を押し上げてきたアメリカの金融緩和と中国の高い成長が転換点を迎えるなか、米中両国の政策転換が世界経済に及ぼすリスクに懸念を示す形となりました。

G20、主要20か国の財務相中央銀行総裁会議で経済の減速への懸念が示されたことについて、中国政府は、国内の株式市場ではバブルが発生し株価の急落が世界経済に影響を与えたもののその後の対策は適切だったと発表しました。
これは、中国の中央銀行中国人民銀行が5日夜、発表したもので、会議の中で中国人民銀行の周小川総裁は中国の株式市場について「ことし6月中旬までバブルが膨らみ先月下旬の株価の調整では世界に影響を与えた」と述べ、上海市場の株価の急落が、世界同時株安の要因となったことを認めました。
しかし周総裁は株価の急落を受けた政府の対策については適切で先月、通貨・人民元の基準値を相次いで引き下げたことについても、「為替レートがもともと高かったことが要因だ。長期的に元安が続く根拠はない」と述べ、問題はないと言う認識を示しました。

アメリカは今回の会議の声明で利上げについて慎重な対応を求める内容が盛り込まれたことについて、特段の反応を示していませんが、早ければ今月中旬に、利上げを決める可能性もあります。会議の直前には、利上げの判断を大きく左右する、アメリカの雇用統計が発表されましたが、利上げに踏み切るかどうか、強弱が入り交じる内容で、アメリカの中央銀行にあたるFRB連邦準備制度理事会は利上げした場合の影響などをぎりぎりまで慎重に見極める見通しです。

通貨の競争的な切り下げを回避=G20声明 | Reuters

トルコのアンカラで開かれていた20カ国・地域(G20)財務相中央銀行総裁会議は5日、「通貨の競争的な切り下げを回避し、あらゆる形態の保護主義に対抗する」方針などを盛り込んだ共同声明を採択して閉幕した。


金融政策をめぐっては「経済見通しの改善に沿って、いくつかの先進国において金融政策の引締めの可能性がより高まっていることに留意する」とした。

1.(略)われわれは、いくつかの国において経済活動が強まっていることを歓迎するが、世界の経済成長はわれわれの期待する水準に達していない。われわれは、経済回復を維持するため断固たる行動を取ることにコミットしており、世界経済の回復は加速すると確信している。われわれは、経済の信認と金融の安定を促進するために、引き続き動向を監視し、波及効果を評価し、必要に応じ新たなリスクに対処する。


2.われわれは、強固で持続可能かつ均衡ある成長を達成するためのわれわれの取り組みを支える、マクロ経済政策および構造政策の役割を再確認する。金融政策は引き続き、中央銀行のマンデートと整合的に経済活動を支えるだろう。しかしながら、金融政策のみでは、均衡ある成長につながらないだろう。われわれは、経済見通しの改善に沿って、いくつかの先進国において金融政策の引き締めの可能性がより高まっていることに留意する。


われわれは、根底にあるファンダメンタルズを反映するため、より市場で決定される為替レートシステムと為替の柔軟性に移行し、為替レートの継続したファンダメンタルズからの乖離を避けるとのわれわれのコミットメントを再確認する。われわれは、通貨の競争的な切り下げを回避し、あらゆる形態の保護主義に対抗する。われわれは、債務残高対GDP比を持続可能な道筋に乗せつつ、経済成長と雇用創出を支えるため、短期的な経済状況を勘案して機動的に財政政策を実施する。この目的のため、われわれはまた、引き続き、生産性、包摂性および成長を支えるために歳出および歳入の構成を考慮していく。


3.われわれは、負の波及効果を最小化し、不確実性を緩和し、透明性を向上させるために、特に金融政策その他の主要な政策決定を行うにあたり、われわれの行動を注意深く測定し、明確にコミュニケーションを行う。


4.現実のおよび潜在的な成長を引き上げる必要性は、世界経済の主要な課題である。われわれは、需要を支え潜在成長を引き上げる措置を含むわれわれの成長戦略を、適時かつ効果的に実施することにコミットし続けている。これらの成長戦略を実施するにあたり、われわれは所得の不平等を是正するものを含め、さらなる包摂性を促進するための行動を取る。本年、われわれはこれらの措置の実施状況を監視するための強固な枠組みを作成し、また詳細な実施スケジュールを用意した。これに基づき、われわれはアンタルヤサミットにおいて、われわれの成長戦略におけるコミットメントの進捗に関する、最初の説明責任報告を提示する。国際機関による暫定的な分析は、われわれのコミットメントの達成に向けた進展はみられるものの、実施のためのさらなる努力が必要であることを示している。われわれはまた、個々の成長戦略がわれわれ全体の成長目標と整合的であることを確保するために、各国間のレビューも活用しながら成長戦略の見直しを行っている。


(略)


8.われわれは、2010年のIMFクオータ・ガバナンス改革の進捗が遅れ続けていることに、引き続き深く失望している。われわれは、IMFの信頼性、正当性、有効性にとって、改革の最も早い実施が必須であり、引き続き最優先課題であることを再確認する。われわれは、米国に対し、2010年改革を可能な限り早期に批准することを強く促す。われわれは、強固で十分な資金基盤を備え、クォータを基礎とするIMFを維持するというコミットメントを再確認する。イスタンブール会合でのわれわれの要請に照らし、われわれは11月にSDR構成通貨見直しに関する進捗があることを期待する。(略)


9.われわれは、金融規制改革の課題の残された中核的な要素を今年に最終化するという決意を再確認する。われわれは、グローバルなシステム上重要な銀行の総損失吸収力の基準(TLAC)についての厳格かつ包括的な定量的影響度調査に関するFSB(金融安定理事会)、BIS(国際決済銀行)、BCBS(バーゼル銀行監督委員会)の作業、および簡素で透明性が高く比較可能な証券化商品を特定するための要件に関するBCBSとIOSCO(証券監督者国際機構)の作業を歓迎する。われわれは、グローバルなシステム上重要な銀行のTLACとグローバルなシステム上重要な保険会社の強固な資本上乗せ基準についての共通の国際基準のアンタルヤサミットまでの最終化、店頭デリバティブ契約の早期解約条項の一時発動停止に係る契約上の効力を他の商品や企業を含めるために拡大すること、銀行の自己資本比率のためのリスク・アセットの計算における過度なばらつき、およびG20シャドーバンキングロードマップの実施、に関する既に合意された作業の完了に期待する。


われわれはまた、中央清算機関の強じん性・再建計画・破綻処理可能性、不正行為リスクおよびコルレス銀行業務と送金サービスからの撤退、に関する既に合意された作業計画の今年の進捗に期待する。われわれは、取引情報蓄積機関への店頭デリバティブ契約の報告および取引情報蓄積機関が有するデータに対する当局の国境を越えるアクセスに対する法的障害への対処や、当該データの使い勝手向上のための作業を行う。われわれは、資産運用活動に関連するものを含む金融安定上の課題を注意深く監視し続け、関連するリスクが完全に対処されるよう確保する。われわれは、あらゆる規制改革の実施と影響に関するFSBの最初の年次報告書に期待する。これは規制改革のいかなる重大な意図せざる影響、特にEMDEs(新興市場・発展途上経済)に対するものを含む。われわれは、企業のバランスシートにおける負債構造の歪みから生じる金融安定上の潜在的リスクを認識しており、FSBに対し、他の国際機関と協調して、システミックリスクを引き続き調査し政策オプションを検討することを求める。


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