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スー・チー氏 歴史的政権交代へ準備活発化 NHKニュース

アウン・サン・スー・チー氏にとって、ミャンマーの政治に大きな影響力を持つ軍との関係が最大の課題となります。
ミャンマー憲法は、軍にあらかじめ議会の4分の1の議席を割り当てているうえに、国軍司令官に対して、国防相など3人の閣僚を指名する権限を与えています。軍の影響力を無視して政権を運営することは難しく、スー・チー氏が軍とどのような関係を築くのかは、政権の安定性を左右する大きな鍵になります。
大統領の選出をどうするのかも課題です。軍事政権時代に制定された現行の憲法は、外国籍の家族がいる人物の大統領への就任を禁じていて、息子がイギリス国籍のスー・チー氏は大統領になることができません。スー・チー氏は今月5日の記者会見で「私は大統領以上の存在になる」と述べ、みずからが政権を率いる強い意欲を示していますが、具体的に誰を大統領に据え、どのような立場で政権運営を行うかについては明らかにしておらず、スー・チー氏の対応が注目されています。

アウン・サン・スー・チー氏にとって、経済成長をどう維持し、その恩恵をどう国民に行き渡らせていくかが大きな課題です。
アジア最後のフロンティアと呼ばれるミャンマー日系企業の進出も相次ぎ、毎年7%を超える高い経済成長を続けています。スー・チー氏は海外からの投資については引き続き歓迎するとしていて、投票に先だって行われた記者会見で「悪いと思う政策は変更し、よいと思う政策は継続する」と述べ、これまでの政権の経済政策をある程度、受け継ぐ考えを示唆しています。
ただミャンマーは、周辺国に比べ電気や道路などのインフラ整備が遅れているうえに、労働者の賃金も上昇を続けていることから、製造業の拠点としての今後の国際競争力を危ぶむ声もあります。
スー・チー氏への国民の期待は極めて高いだけに、経済成長の恩恵を、早急かつ目に見える形で国民に広く行き渡らせることができなければ、失望感が広がるおそれもあり、その手腕が問われることになります。