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» パリ同時多発テロ事件、煮詰まったB20/G20、そして日本人の運命 (連載「パックス・ジャポニカへの道」) | IISIA 株式会社原田武夫国際戦略情報研究所

最後に。我が国からは今回、私以外に日本経済団体連合会経団連)からミッションが派遣され、1日目の最終セッションで短時間のスピーチを行っていた。与えられた時間の短さにもよるのであろうが、簡単にいうと「世界経済を苦境から救うため、我が国の先端技術を是非活用して頂きたい」という、“セールス・トーク”ととられかねない内容であった。スピーチが終わった瞬間に会場では(誠に失礼ながら)「失笑」の声が漏れ聞こえてきたことをここで吐露しておきたい。正直、非常に忸怩たる思いがした。


しかし、これで良いのかもしれない。「グローバル」などと大風呂敷を広げつつ、その実、「万人の万人による万人のための闘争」の場を次々につくっては世界全体を巻き込んでいる米欧勢の統治エリートたちによるやり口と、これに追随するエマージング・マーケットの財閥勢力の動きに、無意識ながらもどうしてもついていくことが出来ないのが私たち日本人なのであるから。グローバルな現場で「馬鹿じゃないか」と陰でどんなに囁かれても、一向にひるまず「昼行燈」を決め込んでいれば良いのである。どのみち、彼らの方が戦いに疲れ、敗れた順番で「最後の拠り所」を我が国に求めて来るのであるから。そうした彼らを「マロウド」として出迎え、その実、しっかりとその富を我が国で落とさせればそれで良いのである。グローバル・マクロなどというものに中途半端に手を出すと火傷することは目に見えているのだ。


だが、こうして「昼行燈」を決め込むことと、諸国民・諸勢力の各地にあっていかなる「構造」があり、それが現実にどの様に動き、またこれからどこに向かおうとしているのかを把握するということは決して矛盾はしないのである。目立ちはしないが、至るところに出没し、現地の者たちと和合し、その構造に入り込み、その内奥と密かにつながっているような、そんな存在が我が国にあっても何ら不思議はないのである。そしてその上で「昼行燈」を決め込むダンディズムとすごみこそが、根底にあって人知れずとも全ての者を揺り動かす我が国の在り方そのものと和合するのだ。


私は、私の研究所をそうした唯一無二の存在にまで育て上げて来たいと考えている。無論、「諸国民・諸勢力の平和と繁栄のために(for peace and prosperity of all the nations)」である。これこそがパックス・ジャポニカ(Pax Japonica)の本質にあって、普遍であるべき方向性なのだ。そのことを今、祖国・日本から遥か遠い西方の地・アンタルヤであらためて書き記しておきたいと思う。