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地球外の生命探査 日本でも動きが本格化 NHKニュース

地球以外の生命の探査では去年9月、NASAアメリカ航空宇宙局が火星探査機による観測結果から「火星には今も水が存在している可能性がある」と発表し、生命存在の可能性にもつながる成果として大きな注目を集めています。
また、先月にはオーストラリアの大学が南米のチリにある望遠鏡での観測で、地球から14光年という太陽系から比較的近い場所に水が存在できるような環境の惑星を発見したと発表し、研究チームは今後この惑星の大気を調べて水や生命は存在するのか、さらに研究を進めたいとしています。
こうしたなか、ことしは日本でも地球外生命の探査に向けた動きが本格化します。このうち東京大学を中心としたグループは、アメリカのハワイにある日本の「すばる望遠鏡」に、ことしの夏までに新たな観測機器を取り付け、太陽系以外にも生命が存在できるような惑星があるのか探査を開始します。
研究グループでは、これまでの主に目に見える光での観測では見つからなかった、より暗い天体を捉えようと赤外線を使って観測し、水が液体として存在できるような温度の惑星、つまり“第2の地球”をできるだけ地球から近い場所で見つけたいとしています。
研究グループの代表を務める東京大学の田村元秀教授は、「4年から5年をかけて、表面温度などの環境が地球に近い、生命が存在できるような惑星を10個以上見つけたい。できるだけ地球に近い場所で見つけて、その後のより詳しい観測につなげたい」と話しています。
また、京都大学のグループは岡山県浅口市にある国立天文台岡山天体物理観測所でことし3月にも、国内最大となる直径が3.8メートルの大型望遠鏡の建設に着手します。研究グループでは、現在開発を進めている天体の表面の物質まで調べられる高性能なセンサーを望遠鏡に取り付けて、これまでに太陽系の外で見つかっている“第2の地球”の候補ともいえる惑星の表面を観測し、水や植物などが存在しないか調べたいとしています。
研究グループの代表を務める京都大学の長田哲也教授は、「太陽系の外にある惑星の表面の物質を観測できれば、世界的にも画期的なことで、現在欧米がリードしている地球外生命の探査で日本も大きな貢献を果たすことができる」と話しています。

地球外生命の探査が活発になっている背景には、最近になって太陽系の外にある惑星の周辺で、生命の源となる可能性がある「有機物」が相次いで発見され、生命の起源は宇宙空間にあるのではないかという考え方が次第に広がっていることがあります。
宇宙空間から「有機物」を相次いで発見しているのは、南米のチリに日本の国立天文台や欧米などが建設した世界最大の電波望遠鏡、「アルマ望遠鏡」です。
アルマ望遠鏡」は、標高5000メートルのアタカマ高地に建設され、東京の山手線と同じくらいの広さに設置された、直径10メートル前後の大型のパラボラアンテナ66台を同時に動かすことで1つの巨大な望遠鏡として観測を行っています。「アルマ望遠鏡」は4年前、地球からおよそ400光年離れた、惑星が生まれつつある現場で生命のもとになる可能性がある有機物の1つで「糖」の一種の「グリコールアルデヒド」を発見しました。
続いておととしには、地球から455光年離れた、生まれたばかりの惑星の周辺で水素や炭素などが複雑に結びついた有機物で、生命にとって不可欠な「アミノ酸」に近い「アセトニトリル」を発見しました。
生命の起源を巡っては、地球の海の中で生まれたのではないかとする考え方がこれまで広く支持されてきていますが、惑星の周辺で有機物が相次いで見つかったことを受けて、最近では生命の起源は宇宙空間にあるのではないかという考え方も次第に広がっています。
アルマ望遠鏡の観測責任者を務める国立天文台の井口聖教授は「惑星が生まれる場所の周辺で有機物が見つかっていることは非常に興味深い。生命が誕生するには、アミノ酸のような非常に複雑な物質が存在することが欠かせず、今後の観測のなかで、ぜひともアミノ酸を見つけ出したい」と話しています。