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<3> 藤本義一氏 その1 : フルハルター*心温まるモノ

  私は調整師であり、万年筆の使い手ではない。長く使い、言い換えれば、育ててゆくと、どの様な変化が起こるか、自分の手で実感することはむずかしい。私の仕事は生まれ出る時に少しでも親との相性が合うように、育てやすいようにすることだと思っている。
  ただ、使い手つまりお客様との会話の中で、一本ずつ、かなり強い個性を持っているのが万年筆だと教えられてきた。それを蓄積して、今では偉そうに、万年筆とはなんぞやなどと言っている。使い手が職人を育て、職人が使い手を育てる関係、いいなと思う。

第四話 クロスポイントとの出会い  : フルハルター*心温まるモノ

  これらは、本道を極めた上での遊び心だと思う。

第三話 森山モデルの完成まで  : フルハルター*心温まるモノ

早速ルーペでニブポイントを見ると、なるほどと納得した。もともとはBポイントのものを、すごくきれいなMをそのまま大きくした形状に研磨されており、自分の中でやっぱりこれだと確信した。

<2> 半村良氏 : フルハルター*心温まるモノ

  つまりその万年筆の本当の書き味を確認するには、書き慣れた文字を書いてみないとわからないということである。“永”や“裁”は書き味の確認にはよい文字であるが、この文字で確認したい人は日頃から練習して書き慣れておくことだと思う。
  一般的には自分の住所・氏名を何度も書いてみることが最良の方法ではないだろうか。

第二話 モンブラン輸入元への入社 : フルハルター*心温まるモノ

第五話 フルハルター開業 : フルハルター*心温まるモノ

 モンブランで約17年アフターサービスや品質管理を担当して、万年筆は誰にでも合う、つまり誰が書いても書き味が良く、インク切れのしないペン先を作ることができないことを、身にしみて感じていた。
  書きにくい、インク出が悪い等々で修理するにも、使い手の角度が判らないから、一般的な調整をしていたのだが、使い手の筆記角度が想定した角度と反対だと、修理する前よりもかえって悪くなるという恐怖感が、いつもついてまわった。


  また店頭で試し書きをする際も、ほとんどの場合はボトルインクをつけ、立って書かねばならない。インクをつけての試し書きは、通常よりインク出が多くなるために、ヒッカカリや正確なインクの出方またインク切れ等が判らない。また立って書くと、万年筆の筆記角度が、通常の角度と違ってしまい、正確なチェックができない。


  もう一つ、万年筆についてゆっくり話しができ、しっかりとアドバイスしてくれる店がほとんどないという状況である。これは万年筆に限らず、どんな業種でも、個人経営の店が成り立ちにくい状況である。万年筆を使ってみたいという初心者から、万年筆大好きベテランまで、気楽にゆっくりと時を過ごせる万年筆屋を望んでいるのではないかと思い、1993年10月にフルハルターを開業した。

 以来月日が流れたが、有難いことにたくさんのお客様との良い出会いがあった。フルハルターに来られる方は椅子に腰かけ、ゆっくりと話をしていかれる。万年筆の話から始まり、ものを書くことについての話、趣味の話、仕事の話、社会の話、話題は多岐にわたる。話をかわすうちに、その人にとっての万年筆というものが見えてくる。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20160221#1456051196
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