宇宙空間から僅か1000分の1秒程度だけ瞬間的に大量の電波が飛来する謎のフラッシュ現象は、「高速電波バースト」と呼ばれ、9年前に発見されましたが、宇宙のどこで発生したどんな現象なのか全く分かっていません。
東京大学大学院の戸谷友則教授らのグループは、去年、オーストラリアの望遠鏡が観測したフラッシュ現象がどこから発生したのか、ハワイにある日本の「すばる望遠鏡」で詳しく調べました。その結果、地球からおおいぬ座の方角におよそ50億光年離れた銀河から発生したことが分かり、世界で初めて発生源となった天体を特定しました。
この銀河は、通常より横長に広がっただ円銀河と呼ばれるもので、銀河の中では生まれてからの時間が長く、こうした古い銀河で起きている星と星の合体など激しい天体現象によって発生した可能性があるということです。
戸谷教授は、「宇宙からはさまざまな信号が届いていて、その一つ一つについて、発生源を探り、そこで起きている現象を突き止めることができれば、宇宙や銀河の成り立ちの解明をさらに詳しく進めることができる」と話しています。