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ポーランドの首都ワルシャワで12日、数万人のデモ隊が大統領宮殿に向かって行進し、同国政府が憲法を尊重することを要求した。右派政党「法と正義」の新政権に対する、反政府グループや憲法裁判所、欧州連合(EU)の対決姿勢が一段と鮮明になっている。


反政府デモに集まった群衆は、ポーランドとEUの旗を振りながら「憲法憲法」と唱え、新政権が進める法制度改革の中止を命じた裁判所の判決を受け入れるよう訴えた。


EU懐疑派の右派政党「法と正義」は昨年10月に政権を樹立。その直後からメディアなどの統制を強め、EUや米国、人権団体から批判を浴びる事態となっている。


ポーランド憲法裁判所は9日、判決を出すのに必要な裁判官の数を引き上げる(ことで同調者を増やす)政府の決定は違法、との判断を下した。東欧最大のEU加盟国である同国の民主主義や法の支配に対する懸念が高まっている。


批判勢力によると、法制度改革が実行されれば、政府の立法措置に裁判所が異議を唱えるのはもちろん、審査することさえ難しくなるという。


政府は12日、判決そのものが違法だとして憲法裁判所の判決を公表しないと繰り返し、実質的に裁判所の命令をたなざらしにしている。


政府は憲法裁判所の権力が強すぎるうえ、前政権と通じており、選挙で選ばれた同党が進める改革を断固阻止するつもりだと主張。


一方、裁判所や人権団体などは、この主張には根拠がないとしている。