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勇気と志で道を拓いた中野陽一郎さんが語る次の一歩の踏み出し方──『選択の時』 第1回|メンズファッション、時計、高級車、男のための最新情報|GQ JAPAN
高級ホテルの部屋を不動産として売買する「ホテル・レジデンス」方式を日本で展開する。中野さんが手にしているのはNY赴任中のゴールドマン・サックス時代に出会い、その後の彼の人生に多大な影響を与えたアメリカの不動産王ドナルド・トランプの自伝『THE ART OF THE DEAL』。
2006年11月10日に発売されるや即日完売したハワイのトランプ インターナショナル ホテル ワイキキ ビーチ ウォーク。この38階建て超高層高級ホテル・コンドミニアムの日本市場での販売を任されたのが中野陽一郎さん率いる社員10人強の小さな会社である。
映画『ウォール街』を観て、その世界に行こうと思った中野さんはゴールドマン・サックス(GS)に入社し、NYに赴任する。NY勤務当時は、朝4時に出社、深夜0時まで、GS精神で猛烈に働く。
投資家らの資金でファンドを設立し、LAのホテル&リゾート開発に投資。これで注目され、今度ハワイでこういう案件がある、ドナルド・トランプを紹介するからやってみないか、という声がカナダの不動産販売会社からかかった。”5分だけ”、ということだったが、その一瞬を逃すまいとNYに飛び、トランプ氏に直接プレゼンした。不動産市場の分析ではなく、23歳、12歳のときの思いを語った。大手競合を尻目に採用の連絡が入ったのは帰りのクルマの中だった。
「自分は夢を持ち続けることが重要だと思うんです。夢って、自分自身の限界を知ることで実現につながる。自分ひとりで達成できることって、すごく少ない。だから、力を貸してくださいと、誰かにお願いする。そうすると、難関はあるものの、ひとつずつクリアになっていく。夢が向こうから近づいてくる瞬間がある。自分の限界を知ることができれば、他人に優しくできたり、素直に評価できたりするようになる。そう思っていて間違いないんですね」
すべての道はホテルに続いていた! 自分の人生のシナリオをつくり、語る能力について、日本のビジネス・シーンでも問われる機会が増えるだろう。
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20160312#1457779389(中央官庁は官房長に直接会える)