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イギリスで先月行われた国民投票で、EUからの離脱が決まったことを受け、辞意を表明していたキャメロン首相は13日、エリザベス女王に辞表を提出しました。
2010年に43歳で首相に就任したキャメロン首相は、金融危機の影響で低迷していた景気の回復に努めるとともに、財政再建にも取り組み、去年の総選挙では保守党が議会の過半数議席を獲得しました。
しかし、財政緊縮策で地方の経済が低迷し格差が拡大したとされていて、これに対する国民の不満が国民投票でEU離脱という結果を招いたとも言われています。
EUへの残留を呼びかけてきたキャメロン首相は、国民投票の結果を受けて「国民は明確に違う道を選んだ」として、辞任する意向を示していました。
キャメロン首相は首相を務めた6年を振り返り、「簡単な道のりではなかった。もちろん私たちのすべての決定が正しかったわけではないが、イギリスはより強くなったと確信している」と述べました。
このあとメイ内相が女王からの任命を受けて、イギリスでサッチャー元首相以来、2人目となる女性の首相に就任し、国内の融和を図りながら、EUからの離脱に向けた困難な交渉に臨むことになります。

英 メイ内相が首相に就任 女性で2人目 | NHKニュース

イギリスで先月行われた国民投票で、EUからの離脱が決まったことを受け、キャメロン前首相は13日、エリザベス女王に辞表を提出し、辞任しました。
これに続いてメイ内相が女王から新しい首相に任命され、イギリスでサッチャー元首相以来、2人目となる女性の首相が誕生しました。
メイ新首相は59歳、1997年に下院議員に初当選したあと、保守党で初めての女性幹事長に就任するなど党内の要職を歴任し、2010年からはキャメロン政権で6年にわたり内相を務め、テロ対策や移民問題などに取り組んできました。
メイ新首相は、国民投票で二分された国内の融和を図りながら、EUからの離脱に向けた困難な交渉に臨むことになり、その手腕が問われることになります。
首相官邸で初めて演説したメイ新首相は「私たちはEUからの離脱を進めながら、世界の中で強く、新しく、前向きな役割を築き上げる。イギリスを特権階級だけでなく、すべての人が恩恵を受けられる国にする」と述べ、国民の結束を呼びかけました。
演説のあとメイ新首相は早速、組閣に着手し、これまでに離脱派のリーダー、ジョンソン下院議員を外相に起用するなど離脱派も重用しており、党内の融和を図るねらいがあるものとみられます。

イギリスで2人目となる女性の首相となった、テリーザ・メイ氏はイギリス南部出身の59歳。名門、オックスフォード大学を卒業し、イギリスの中央銀行にあたるイングランド銀行での勤務などを経て、1997年に下院議員に初当選しました。
保守党で初めての女性幹事長に就任するなど党内の要職を歴任し、2010年からはキャメロン政権で6年にわたり内相を務め、テロ対策や移民問題などに取り組んできました。
クールで敏腕というイメージから「氷の女王」と呼ばれ、かつて同じ保守党のリーダーで「鉄の女」と称されたサッチャー元首相とも、比較されることも少なくありません。
国民投票では、EU=ヨーロッパ連合への残留を支持しましたが、党首選挙への立候補にあたっては「EUからの離脱という結果が出た以上は、離脱するしかない」と述べ、投票のやり直しを求める動きをけん制し、EU離脱に向け強いリーダーシップを発揮していく姿勢を示しています。
一方で、有名ブランドのスーツや靴などを着こなすことから政界のファッションリーダーとしても知られているほか、地元メディアの取材には、料理が趣味で100冊ものレシピ本を持っていると答えるなど、政治から離れた素顔も話題を呼んでいます。

イギリスのEU=ヨーロッパ連合からの離脱決定という厳しい状況のなかで、首相に就任したメイ新首相。イギリスでは、経済が低迷し「英国病」と呼ばれた1970年代に首相に就任し、経済を立て直したサッチャー元首相と重ね合わせる論調が目立ちます。
イギリスのメディアは、激務に耐え細部まで気を配るメイ氏の仕事ぶりや、冷静で妥協を許さない姿勢が、サッチャー氏に通じるなどと伝え、2人が首相に就任する前にそれぞれ内相と教育科学相を務め、手堅い手腕を発揮したことも紹介しています。
さらに2人がともに中流階級の出身で、名門オックスフォード大学を卒業したことなどの共通点を挙げています。
ただ、サッチャー氏に対しては、市場経済を重視し、国営企業の民営化などを推し進めた結果、イギリス国内の格差を拡大させたという批判があるのに対し、メイ氏はかつて保守党の幹事長としてサッチャー元首相時代に定着した党の冷酷なイメージの払拭(ふっしょく)に努めたとも言われており、メディアの一部は2人を同一視すべきではないとも指摘しています。

焦点:英独2人の「鉄の女」が握るEUの命運 | ロイター

欧州連合(EU)離脱派が多数を占めた英国民投票を受け辞任したキャメロン英首相の後を継ぐメイ次期首相。そして、EU加盟国のどの首脳よりも影響力のあるドイツのメルケル首相。ともにキリスト教の聖職者の家に生まれ、類まれな頭脳を持ち、並み居る男性政治家を押しのけて保守政党のトップに上り詰めた。英国の離脱交渉では、出自の似た2人の女性首脳が一戦を交えることになる。


59歳のメイ氏はオックスフォード大で学び、ドイツ政府幹部は「とてもしつけのいい女性」と評する。この6年間、内相を務め、フランスのカズヌーブ内相と非常に良い関係を築いているともいわれる。


61歳のメルケル氏は2005年の総選挙で華々しい活躍をしていた社会民主党シュレーダー前首相を破り、首相の座に10年就いている。英国民投票後にはフランス、イタリアの両首脳と会談しEUの将来について協議するなど、重要な役割を担っている。


EU基本条約のリスボン条約によると、離脱の手続きは英国以外の加盟27カ国の首脳で構成する欧州理事会で決定しなければならない。


メルケル、メイ両氏の共通理解は、国民投票の結果を尊重し「離脱を決めたら離脱する」だ。だが、譲れない一線もある。


メイ氏は離脱手続きを急ぎたくない。一方で、メルケル氏は英国に対し早急に離脱に向けた主張を明確にするよう望んでいる。


メイ氏の最も重大な使命は、英国によるEU単一市場へのアクセスを確保した上で、EUからの移民を制限することだ。他のEU加盟国首脳は、人の移動の自由が確保されてこそ市場のアクセスは可能になるとの立場を示している。メルケル氏もドイツにとって5番目のモノの貿易相手国である英国との強力な関係は保持したいが、それよりも重要視しているのは、EU27カ国の団結だ。


<頑固者>


EU本部のあるブリュッセルでメイ氏と行動を共にした英外交官らの評価は高い。あるEU当局者は「EUの仕組みをよく知っている。絶えず準備を怠らない」と述べる。EU幹部をして「とてもプロフェッショナルだ」と言わしめ、「EUにとって簡単に対峙できる相手ではない。主張は首尾一貫として、なかなか譲らない」とされている。


ただ、現実的なところもある。英国はEU統一の司法・捜査システムには否定的だったが、メイ氏は治安を司る内相として、加盟国間の捜査情報共有などを決断した。EU幹部はこの際も「役人に頼らず、素晴らしい交渉手腕を発揮した」と評価する。


こうしたタフでそれでいて現実的な交渉技術がメルケル氏との交渉で試されることになる。メルケル氏は11日、「これから英国と難しい交渉が待っている。決して容易ではない交渉が」と話している。

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