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イギリスのメイ首相は、29日午後1時半ごろ(日本時間午後8時半ごろ)、EU駐在のイギリス大使を通じ、EUのトゥスク大統領に書簡を送り、離脱する意思を伝えました。これにより、離脱へ向けてイギリスとEUとの間で原則2年間の交渉期間が正式に始まることになります。


メイ首相は、日本時間の午後8時半すぎ、議会下院で国民向けに演説し、書簡を提出したことを報告したうえで、「イギリスにとって、もはや後戻りできない歴史的な瞬間だ。イギリスは大切な政策に対する決定権を取り戻す。そして、将来子どもたちや孫の世代が誇りに思うような、より強く公平な国を作る」と述べ、交渉に臨む決意を示しました。そして「住民投票でどう投票したかではなく、共通の価値観や利益、それに希望で一つになり、離脱交渉を成功させるという決意のもと進んでいこう」と国民に団結を呼びかけました。


一方、EU側でもトゥスク大統領が、48時間以内にほかの加盟国に対し、交渉に臨むEUとしての方針を明らかにし、来月29日には首脳会議を開き、交渉の方針を取りまとめることにしています。


双方は今後、離脱の条件や離脱後の関係について協議することになりますが、拡大を続けてきたEUから加盟国が離脱するのは初めてのことで、交渉は史上前例のない複雑なものになると見られています。

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イギリスのメイ首相は29日、EUのトゥスク大統領に書簡を送り、正式にEUからの離脱を通知しました。


メイ首相は書簡の中で「混乱を最小限に抑えるのは、お互いの利益にかなうはずだ」として円滑な離脱交渉を呼びかけたうえで、離脱の条件を定めた「離脱協定」と、離脱後の貿易に関する交渉を並行して協議したいという意向を示しました。


さらにメイ首相は「イギリスはEUとの間で、経済や安全保障の分野で強く深く結ばれた特別な関係を持ちたい」として、イギリスが得意とする治安や安全保障の分野で協力を続ける代わりに、EU側に貿易面での歩み寄りを促したいという思惑をにじませました。


メイ首相はこれまで「悪い合意なら決裂したほうがましだ」と述べるなど、強気の姿勢を示してきましたが、今回の書簡では、EU側が反発する移民規制への言及を避けるなど、いくぶん態度を和らげたという見方も出ています。


ただEUは、離脱の条件を決めるのが先で、貿易交渉は同時に進められないという姿勢を崩していないほか、加盟国の間では、治安と貿易を結びつけるのは不適切だという批判が早くも上がっていて、交渉は序盤から難航することも予想されます。

イギリスがEUからの離脱を正式に通知したことについて、フランスのオランド大統領は29日、訪問先のインドネシアで、「離脱の手続きはもはや後戻りできなくなった。ヨーロッパの人たちにとっては感傷的な痛みとなるが、イギリス国民にとっては経済的な痛みを伴うだろう」と述べました。


またエロー外相も29日、パリで会見し、「今後の離脱交渉は非常に難しいものになるが、イギリスとは建設的で敬意をもって進めていかなければならない」と述べました。


ドイツのメルケル首相は29日、「私たちは強くて重要な加盟国を失うことになるが、イギリスの有権者たちの民主的な選択を尊重する」と述べました。


そのうえで、今後の交渉については、「イギリスはEUと親密なパートナーであり続けてほしい。EUは公正で建設的な交渉をするし、イギリス政府も同じ精神で交渉に臨むだろう」と述べ、今後の厳しい交渉を意識しながらも、良好な関係の維持に努めるべきだという考えを示しました。


アメリカ、ホワイトハウスのスパイサー報道官は29日の記者会見で、「われわれはイギリスの有権者と政府の意思を尊重する。イギリスとEUの関係がどのようなものになろうとも、イギリスには引き続きヨーロッパの強力なリーダーでいてほしい」と述べました。
これまでアメリカのトランプ大統領は、イギリスのEUからの離脱を支持するとともに、EU域内への難民の流入を受け、今後もEUからの離脱を決断する国が出てくるという見方を示し、EU側の反発を招いています。