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「FEDモデル」根拠の米国株強気論、実現まで永遠に待つ可能性も - Bloomberg

米国株の強気派が株式相場の極めて高いバリュエーションを正当化しにくくなりつつある。債券と比較すれば株式は実際には割安だという説も残るが、これについて疑問の声が高まっている。


  売上高や利益などの項目と比較して株価は高く評価されているかもしれないものの、債券資産の評価はもっと高い。1980年代初めからインターネット株バブル期までは株式・債券相場は足並みをそろえていただけに、この点は重要だ。その後、株式と債券は異なる方向に動いており、両市場が以前のような関係に戻るには、株式に40%程度の上昇余地があるという一部の強気派は言う。


  投資家にとって問題なのは、これまで非常に長い期間にわたり分岐した動きとなっており、何かが根本的に変化して株価の上昇を阻んでいる可能性がある点だ。企業は低金利や過去30年のインフレ率低下傾向から恩恵を受けているが、ここにきて過ぎたるは及ばざるがごとしになったのかと懸念されている。


  ソーンバーグ・インベストメント・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ジェーソン・ブレディ氏は「インフレ率が極めて低い状況やデフレの状況にあり、これは債券投資の持続を意味するが、利益成長や株式にとってはあまり見通しは良くない」と指摘。株式と債券の比較はかつて機能したが、「中央銀行金利を自然な水準以下に押し下げる構図の一部である」状況では機能しないと付け加えた。


  株式と債券のバリュエーションを比較する手法は「FEDモデル」として知られる。企業は利益に比べて高く評価され得るが、FEDモデルでは、債券のバリュエーションがさらに高い限り、株価にはまだ大幅上昇の余地があるとされる。


  このモデルの支持者らは、株価収益率(PER)の逆数である株式益利回りを使ってバリュエーションを比較する。この方法ではS&P500種株価指数の益利回りは約5%となる。米10年債の利回りは1.4%。株式益利回りは米国債利回りより3.6ポイント高く、1980年代から金融危機までのどの時期より大幅な差となっている。伝統的な解釈では、これは株式市場での買い殺到を促し、いずれ利回りは正常化に向かうという。


  バンク・オブ・アメリカ(BofA)の株式ストラテジスト、ダン・スズキ氏は「要は、平均に回帰すると考えるか否かだ」と指摘。「過去10年間回帰すると主張していたなら、誤っていたことになる。平均に回帰してはいない。これは基本的に、10年間起きなかったことが実現すると言うようなものだ」と付け加えた。


  もちろん、ほかの要因でも利回りの差は縮小し得る。債券利回りが上昇するか、もしくは企業利益が落ち込む状況でもその可能性はある。スズキ氏率いるグループの分析では、FEDモデルではその後の株価リターンの7%しか説明されなかったことが分かった。


  ゴールドマン・サックス・グループのデービッド・コスティン氏ら同社アナリストらは7月15日のリポートで、「長期平均への収束はどの方向からも起こり得る」と指摘。「最も可能性が高いのはインフレ圧力が債券利回りを押し上げる道筋であり、企業収益の下方修正は株価を短期的に押し下げるリスクの一つだ」と分析した。


原題:Waiting Forever for Fed Model Bull Case on Stocks to Come True(抜粋)

Stocks a Screaming Buy in Fed Model That May Never Prove Right - Bloomberg