社長経験者らが経営の助言などを行う顧問や相談役は日本企業に特有の制度ですが、企業統治をゆがめているのではないかという見方もあり、去年、組織的な不正会計が明らかになった大手電機メーカーの東芝は、経営改革の一環として相談役の制度を廃止しています。
こうした顧問や相談役が企業経営にどのような影響を与えているか、経済産業省は、国内の証券取引所に上場するすべての企業、およそ3500社を対象に、初めての実態調査に乗り出す方針を固めました。
調査では、顧問や相談役の人数や業務、報酬のほか、制度の廃止や報酬の削減を検討したことがあるかどうかなどを調べることにしています。また、今回の調査では、外部の目で経営を監督する社外取締役の活動状況や、今の経営トップがどのように後継者を選んでいるかも調べる方針です。
経済産業省は、年内に調査結果をまとめ、これを基に、有識者らでつくる研究会で、より透明性の高い企業統治の実現に向けた具体策などを検討することにしています。