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いつも途中で挫折する人は「グリット」の能力が欠けている!?|やり抜く力|ダイヤモンド・オンライン

「社会的に成功するためにもっとも必要なのは才能やIQや学歴ではなく、グリット(やり抜く力)である」

 そもそも、すでにアメリカの教育界では、「IQが高い人こそ成功する」というわけではないということはわかっていた。だが、何がもっとも大事な要因なのか。自尊心か、楽観主義か、自信か……さまざまな仮説が出ていたところに現れたのが、ダックワースの「グリット(やり抜く力)」だったのだ。

 ひと言で言うと、グリットというのは、ひとつの重要な目標に向かって、長年の努力を続けることである。困難があっても、目的を達成するためにとてつもなく長い時間、継続的に、それこそ歯を食いしばって(グリットという単語には「歯を食いしばる」の意もある)粘り強く努力することができるのが、グリットである。


 短期間であっても肝心なときにどれだけがんばれるかというのも、もちろん重要だ。だが、「途中でやめてしまうこと」は進歩の妨げとなるもっとも大きな要因だとダックワースは言う。まさに昔から言われてきたとおり「継続は力なり」なのである。

 本書の中に、レンガ職人の寓話が出てくる。教会を建てている現場のレンガ職人3人にある人が尋ねるのだ。


「何をしているんですか」


 その答えは、


 1人目は「レンガを積んでいるんだよ」


 2人目は「教会を作っているんだよ」


 3人目は「歴史に残る大聖堂を作っているんだよ」


 この答えから、3人のうち、誰がいちばんグリットを持っているかわかるだろうか? そう、3番目に答えた職人だという。

 特にここ10年ほど、「苦労してがんばる」ことを基本としている日本の教育が、アメリカの心理学者たちの間で見直されているという(キャティ・ケイ他著『なぜ女は男のように自信をもてないのか』CCCメディアハウス)。苦労して困難を乗り越えることは自信を生み、その自信がまた次の挑戦をうながす好循環を生むからだ。


 得意なことを伸ばして自尊心を育てるアメリカの教育がよしとされ、日本にも一部導入された時期があったが、アメリカでも日本でも、よい結果を生んでいないことが報告されている。やはり努力して苦手なことを克服したり、コツコツと粘り強く何かを成し遂げたりする経験を積むことが大切なのだろう。


 実は、このグリットが強いほど幸福感も高い、という研究結果も出ている。

敬愛なるベートーヴェン その9

坂本龍一は、ベートーヴェンを「律儀なレンガ積み建築職人のように音楽を構築する」と評している。
「レンガ積み」という表現を取ったのは、小さな煉瓦のような断片的部品=単位を配列し連結しながら、音楽の巨大な建築物を組み立てていく方法論をとっているという意味である。

レンガとなる単位の仕組みはきわめて単純化されていて、1つ1つはそれほどの天才的閃きや輝きがあるようには見えない。が全体としてでき上がると、恐ろしいほどの堅固な均衡と調和、体系性を見せるエンジニアリングである。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20160908#1473331260
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20160905#1473071764
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20160714#1468492651
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20160102#1451730974
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20141222#1419244757