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アングル:ロシア抑止へNATOが軍備増強、高まる東西対立 | ロイター

ロシアとの不和が長期化するのに備え、北大西洋条約機構NATO)は26日、冷戦以降で最大となるロシア国境沿いの軍備増強に貢献するよう加盟国に求める意向だ。


武力を誇示するようにロシアの空母が欧州地域を通過してシリアに向かうなか、NATO加盟国の国防相は、7月の首脳会議で決まった、バルト諸国とポーランド東部への部隊派遣を来年初めに開始するという約束の遂行を目指している。


米国は、兵士約4000人で構成される4つの戦闘群を埋めるべく、拘束力のある欧州からのコミットメントを期待している。これは、2014年のロシアによるクリミア併合を受けたNATOによる対応の一環であり、ロシアが欧州の旧ソ連構成国でも同様の戦術を取る可能性を懸念している表れでもある。


フランス、デンマーク、イタリアや他の加盟諸国は、米国、ドイツ、英国、カナダが率いる4つの戦闘群に参加し、ポーランドリトアニアエストニアラトビアに赴く予定だ。


ストルテンベルグNATO事務総長は、このようなコミットメントは「われわれ欧米諸国の絆を明確に示すもの」となると強調。また、米大統領選の共和党ドナルド・トランプ候補に対するメッセージでもあると、複数の外交官は語った。トランプ氏は、欧州の同盟諸国がNATOにおいて相応の負担をしていないと批判している。


戦闘群は4万人強から成るNATOの緊急対応部隊のバックアップを受け、必要とあらば、さらなる増援がバルト諸国とポーランドを巡回する。


これは新たな抑止戦略の一環であり、最終的にはミサイル防衛や空中哨戒、サイバー攻撃に対する防衛と連動する可能性がある。


その一方でNATOは、黒海地方で似たような戦略を得ようといまだに苦戦している。トルコのエルドアン大統領によれば、同地方はロシアの軍事的プレゼンスゆえ「ロシアの湖」になりつつあるという。


ルーマニアで展開されるNATO多国籍軍に加え、同国とブルガリア、そしてトルコは、黒海地方の海軍力と空中哨戒を拡大する計画をまもなく発表するとみられる。


<衝突回避>


NATOの東方拡大に対するロシアの不満を考慮すれば、米国主導によるNATOのこのような計画は、ロシアにとってすでに過剰なものだ。


ストルテンベルグNATO事務総長は行き過ぎは否定し、「これは信頼し得る抑止力であり、戦闘を招くものではない。戦闘を回避するものだ」と25日、記者団に語った。


ロシアは過去2カ月間で核軍縮に関するいくつかの合意を停止する一方、ポーランドリトアニアに挟まれた自国の飛び地カリーニングラードに核搭載可能なミサイルの移動を開始しており、NATOによる来年の軍配備の象徴的な意味合いが一段と増している。


核兵器の存在が確認されたなら、また今回の配備が永続的なものになるなら、(ロシアの)安全保障に対する姿勢が変わることになるだろう」と、米国のルートNATO大使は語った。


クリミア併合とそれに続く西側の報復措置を受け、緊張はすでに高まっていたが、米ロ仲介によるシリア停戦の破棄と、米大統領選を妨害するためロシアがサイバー攻撃を行ったとする米国の非難は、東西関係の急激な悪化を露呈している。


欧州連合(EU)首脳は先週、シリア北部アレッポでロシアが市民に空爆したことを受け、新たな制裁を検討。ストルテンベルグNATO事務総長は、地中海に向かっているロシア艦船が同市に新たな攻撃を仕掛ける可能性を懸念していると述べた。


シリア停戦が破棄される以前にも、ロシアのプーチン大統領は米国との間で2000年に結んだ、余剰な兵器級プルトニウムの廃棄に関する協定を停止していた。このことは、ウクライナとシリアの問題において、同大統領が核を米国に対する新たな交渉の切り札として利用しようとしていることを示している。

NATO国防相会議始まる ロシアへの対応策協議 | NHKニュース

NATOの国防相会議は、26日から2日間の日程でベルギーのブリュッセルで始まり、ロシアに隣接する加盟国の防衛策などについて話し合っています。NATOは、ロシアがポーランドリトアニアに挟まれたロシアの飛び地、カリーニングラード州に核弾頭を搭載できるミサイルを持ち込んだとして警戒を強めています。


初日の協議では、ポーランドリトアニアに加え、エストニアラトビアに来年から配備する合わせて4000人規模の多国籍部隊について、任務を主導するアメリカやイギリスなどから実践的な活動案や装備計画が示されたものと見られます。また、各国は、ロシアがシリアのアサド政権を支持して北部のアレッポなどで続けている空爆に強い懸念を示しており、ロシア軍が最近、地中海に移動させた艦隊は空爆を支援するための動きである可能性が高いとして、監視を強化する方針です。


NATOのストルテンベルグ事務総長は、26日の記者会見で、「ロシアは軍事力の近代化を進め、それを行使する意欲を強めており、NATOはこれに対応する」と述べて、ロシアを念頭に抑止力の強化を進める考えを改めて強調しました。

ロシア海軍の空母「アドミラル・クズネツォフ」を中心とする艦隊は、今月15日にロシア北部を出発してシリア沖の地中海に向かっていますが、スペインに対して地中海の入り口にあるセウタ港での給油を求めていました。これに対して、NATOのストルテンベルグ事務総長は、ロシアの艦隊がシリア北部のアレッポなどへの空爆に参加する可能性があるとの懸念を表明して、スペインに対して給油を拒否するべきだとする立場を示していました。


こうした中、スペインにあるロシア大使館は26日、給油を断念したことを明らかにしました。その一方で、ロシア国防省の報道官は、「艦隊の一部の船を寄港させる可能性を検討したが、空母の給油を行う予定はなかった」としたうえで、給油しなくてもシリア沖までの航行に問題はないと強調しました。ロシアのメディアによりますと、セウタ港には、この5年間に50隻以上のロシア海軍の艦船が寄港したということですが、今回の事態はウクライナとシリアをめぐるロシアとNATOの関係悪化を改めて示した形です。

#NATOexpansion