震災の津波で犠牲になった石巻市の大川小学校の74人の児童のうち23人の児童の遺族が訴えた裁判で、1審の仙台地方裁判所は、先月26日、「津波が到達するおよそ7分前までに、市の広報車が避難を呼びかけたのを教員らが聞いた時点で、津波が到達する危険を予測できた」と指摘して、石巻市と宮城県に対し、原告全員に合わせて14億円余りの賠償を命じました。石巻市と宮城県は、この判決を不服として7日仙台高等裁判所に控訴しました。
これを受け、原告の遺族たちは対応を検討してきましたが、10日午後、仙台高等裁判所に控訴しました。
原告の弁護士は、控訴した理由について、1審判決の認定では、津波を予見できたとする時間が遅く、災害時に教員は何もしなくてもよいとお墨付きを与えているほか、学校側の事前の津波対策が不十分だった過失を全く考慮していないなどとしています。
原告の1人で小学6年生だった三男を亡くした佐藤和隆さんは「『義務教育の学校で、子どもの命を誰が守るのか』という責任を2審で改めてはっきりさせたい」と話していました。