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名取市閖上地区で、赤ちゃんを含む4人が津波の犠牲になった遺族たちは、平成26年に「防災行政無線が故障していて、適切な避難ができなかった」などとして名取市に賠償を求め、1審の仙台地方裁判所では訴えを退けられました。

2審の仙台高等裁判所では和解協議が行われ12日、裁判所が示した案を遺族側、市側の双方が了承し和解が成立しました。

和解の条件は、
▽市が犠牲者や、その遺族に深く遺憾の意を表明すること、
▽地域防災計画の見直しや防災訓練などの対策を絶えず行うこと、それに、
閖上地区の被害や、市の対応をまとめた検証報告書をホームページなどで広く周知することなどです。

和解の成立後、遺族側が会見を開き、原告の1人で当時0歳の長男が行方不明となっている女性は「市が、責任を認め謝罪することはかなわなくても後世の命を守り、つなげていく行動をしてもらうことで私たちの5年半がむだではなかったということにつながるのではないかと思いました。今後の名取市の行動を信じ、見守っていきたいと思います」と語りました。

一方、市は「和解条項を踏まえ、震災で亡くなられた方の無念の気持ちを忘れず、引き続き防災・減災対策を講じ、災害に対する備えに取り組みます」とコメントしています。

東日本大震災のあと、各地で起こされた津波の犠牲者をめぐる主な裁判は、これですべて終結しました。

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