https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com


 例えば、江戸期ほど長く平和を維持した事例は、世界史に存在しない。
 それは、偶々(たまたま)そうなったのではなく、「元和偃武(げんなえんぶ)」という時代のコンセプトを設定したからである。


 では、「元和偃武」とはどういうことであったのか。


 また、「参勤交代」が諸藩の経済力を弱め、幕府統治の維持を可能にしたというが、その行列が華美にならないようにしきりに触れを出したのは幕府である。


 では、参勤とは諸藩にとってどういう役割を果たしたのか。
 同時に、「鎖国」が政権を永らく維持させたというが、幕府は果たして国を鎖(とざ)していたのか。


「江戸四口(よんくち)」といわれる対外窓口はなぜ存在し、どういう機能を果たしていたのか。


 その他、江戸期の流通を支えた五街道の整備、海運の主役北前船(きたまえぶね)、通信網の役割をも果たした宿駅制等々、江戸期の社会システムは私たちが教えられたことと違って、驚くべき独自性をもち、世界史的にみても高度なものであった。

 これを成立させた政治システム、経済システム、そして、社会制度、学術レベルを詳しくみていくと、その社会全体に決定的な一つの思想が堅持されていたことが分かるのである。それは、江戸期の社会を根底で支配していた思想が、サスティナブル、即ち、持続可能な仕組みを尊重していたという事実である。


 私は世界は「江戸」に向かっていると、象徴的な言い方をするが、産業革命以降の近代工業社会が、さまざまな矛盾、欠陥をあからさまにし、それによって世界の主役であった西欧文明が明らかに終焉を迎えようとしている今、世界はそれに代わる「よすが」を求めているのである。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20161220#1482232803
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20161213#1481625382