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しかるにデカルトにあっては,長さも面積も体積も単に ‘数値’ であり,したがってそのいずれをも線分の長さをもって表わし得られ,それらは平等に加えたり比べたりできるものと考えられた.したがって,彼の場合には,いかなる関係式も自由に書け,それがまた自由に図形の関係式となり得るのである.
このことは無視できない意味をもっている.すなわち,デカルトは,単に幾何学を代数的に取り扱うことを考え出しただけではなく,代数学を再編し,かつその各要素に幾何学的な映像を与えるという仕事をやってのけたのである.言い換えれば,彼は,それまでの代数学を新しい観点から基礎づけ ‘座標’ という考えを媒介として,それと幾何学とを融合せしめたのであった.
してみれば,彼のもくろみどおり,まさしく代数,幾何の両部門が一つの思想の下に統一され,ここに技術と直観を兼ね備えた新しい学問の方法が樹立されたと見られるであろう.
解析幾何学はギリシア幾何学のわくにとどまるものではない.それは, ‘数と図形の統一’ という重要な数学史的意義をになう新しい学問なのである.
――そもそもデザインエンジニアとはどういった視座をもった人を指すのでしょうか。
山中 そもそも機能やしくみをつくる「エンジニアリング」と、美的価値をつくる「スタイリングデザイン」では、思考方法がまったく異なります。
まず、エンジニアリング。「サイエンス」がベースにあるので、「客観的なエビデンス」(根拠)が求められます。製品の性能は「再現性がある実験」によって「客観的に実証可能である」ことがエンジニアのポリシーになっています。
そして、スタイリングデザイン。「アート」がベースにあるので、「主観の提示」により、他者から共感を得ることが求められます。そのため、製品の魅力は「作品」の形で提示され、感覚的な「共感」を得ることでデザイナーの仕事が成立します。
こうした違いがあるため、エンジニアとスタイリングデザイナーの価値観がぶつかると、エンジニアは「根拠がわからない」し、スタイリングデザイナーは「そんな狭い観点で決めないでくれ」となる。もとより、両者の方法論に大きな差があるので、会話がかみ合わないのです。
――デザインエンジニアとは、その2役を1人でやるということでしょうか。
山中 両者を1人の人間が行えば、方法論の違いを自覚的に意識できます。まずは感覚的にものをつくり、それを実行するために工学ベースで考え直す。すると、だんだん美しさが失われていくから、再度、美しいという観点で弾き直してみる――といった感じで。エビデンスで動くもの、主観で動くもの、その両方を交互に行き来することによって、デザインエンジニア自身が両者の接点を見つけるのです。
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