https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com


野口悠紀雄氏は、執筆活動に極めて精力的に取り組んでいる経済学者だ。2017年は『ブロックチェーン革命』など4冊を刊行。さらにあと3冊、年内に予定しているという。書籍のほかにも、週刊誌とウェブ媒体で週4本の連載を持ち、これらだけでも毎週の執筆量は1万字以上と推測できる。記者の世界ではこういう人を“書き魔”と呼ぶ。野口氏が著述家ではないことを考えると、まさに魔に魅入られたような仕事ぶりである。


近年の驚異的な文章生産性の秘密は、スマートフォン音声認識機能だ。

──スマートフォンの音声入力で、執筆の何が変わりましたか。


これまで書き始めるということが大変だったが、それが非常に楽になった。多くの人は「準備が整ってから始めよう」「構想が固まってから着手しよう」などと構えてしまい、書き始めることをなかなかしない。私は、全体の構想がまとまらなくて稚拙な表現であっても、とにかく書き始めることを心掛けてきた。いったん書き始めれば、自然に内容について考えを巡らすようになり、先へ進むからだ。

──そこまで大きく変わるものですか。


これまでとはまったく違う状況になった。PC(パソコン)で書く場合は、机の前に座って、「さあ書こう」と臨戦態勢を取る必要がある。それがスマートフォンを使った音声入力で、思いついたことをいつでも気軽にメモできるようになった。


音声入力でメモを取ることは、昔からの夢だった。1970年代にカセットテープレコーダーで試みたものの、テープでは何がどこに録音されているか、すぐにはわからないので、実用にならなかった。90年代にデスクトップPC用の音声認識ソフトが発売されたときも試してみた。しかし、認識精度が低くて、使えなかった。


それが今や、スマートフォンに話すだけでインターネットを通じてアップルやグーグルのコンピュータにつながり、AIが私の音声データを解析して文字データに変換してくれる時代になった。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20170930#1506768960
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20160525#1464172636