【速報 JUST IN 】オーストリアでEU批判の党が第1党の見通し 地元公共放送 #nhk_news https://t.co/MTGDav0PD6
— NHKニュース (@nhk_news) 2017年10月15日
オーストリアの議会下院に当たる国民議会の選挙は15日、投開票が行われ、内務省が日本時間の16日午前4時すぎに発表した暫定の開票結果によりますと、中道右派で31歳のクルツ党首が率いる国民党が31.4%、極右政党の自由党が27.4%、中道左派で連立与党の一角だった社会民主党が26.7%などとなっています。
国民党は議席を10以上増やして第1党になる見通しで、クルツ党首は「国民が求めているのは新しい政治のスタイルで、その責任を担う覚悟はできている」と述べて、首相として政権を率いていく意欲を示し、勝利宣言をしました。
今回の選挙では難民・移民政策が最大の争点となり、ことし5月に国民党の党首に就任したクルツ氏は、難民に対するこれまでの寛容な政策を大幅に転換させて難民受け入れの厳格化を打ち出したほか、EUの難民政策を批判することで国民の支持を得ました。
また、極右政党の自由党は、イスラム教徒の難民・移民は事実上、受け入れないとする考えを示すなどして支持を広げて10以上議席を伸ばす見通しです。
今後、国民党が極右政党の自由党と連立することになれば、反難民・移民やEU批判を掲げる連立政権が誕生することになり、EU内の亀裂がさらに広がる可能性が指摘されています。
オーストリアの議会下院の選挙で反難民・移民やEUの批判などを前面に打ち出した極右の政党が議席を増やす見通しとなったことを受けて、ヨーロッパの極右政党からは歓迎する声が上がっています。
このうち、フランスの極右政党・国民戦線のルペン党首は15日、ツイッターを更新し、「私たちの友人である自由党の結果に万歳!これは自由とアイデンティティーを求めるヨーロッパの人々の愛情のしるしだ」と書き込み、反難民・移民を前面に打ち出した自由党の主張が広く受け入れられたという見方を示しています。
また、オランダの極右政党・自由党のウィルダース党首も15日、オーストリアの公共放送が極右の政党が議席を増やすという見通しを伝えた直後にツイッターを更新し、「自由党とシュトラッヘ党首、おめでとう!!」などと書き込んでいます。
内務省による暫定の開票結果によりますと、極右政党の自由党は、得票率が27.4%で、議席も選挙前から15議席増やし、躍進する見通しです。
これについて、シュトラッヘ党首は地元の公共放送に出演し、「大きな成功に満足している。1つはっきりしているのは、60%の国民が自由党の方針に賛同したことだ」と述べ、厳しい難民・移民政策を掲げ第1党となった国民党と合わせて過半数の支持を集めたことを評価しました。
自由党の支持者たちは、「私たち、オーストリア人の子どもの将来にとって、すべてがよくなるでしょう」とか、「もっと普通の人たちに焦点が当たり、働く人たちが豊かになるような政治になってほしい」などと、今後の政治に期待する声が聞かれました。
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— フォーリン・アフェアーズ・ジャパン (@foreignaffairsj) 2017年10月16日
ポピュリズムを台頭させた 欧州政治の構造的変化とは
―― 難民危機、経済危機はトリガーにすぎないhttps://t.co/V5I9ly8msp #ポピュリズム #EU #オーストリア総選挙
すでにギリシャ、ハンガリー、イタリア、ポーランド、スロバキア、スイスの6カ国でポピュリスト政党が最大の議席数を確保している。大規模な難民流入やユーロ危機などで社会治安や経済の安定が脅かされたために、ポピュリズムの急激な台頭が刺激された部分があるのは事実だろう。しかし、ヨーロッパの社会と政治に構造的変化が起きていたことがポピュリズムを台頭させる素地を作り出していたことが見落とされがちだ。難民危機や経済危機はトリガーにすぎない。しかも、構造的変化が近い将来に覆される見込みがない以上、ポピュリズムが下火になっていくと考える理由はない。要するに、これまでの主流派政党が時代遅れの存在になるにつれて、ポピュリスト政党が台頭している。・・・(ムッデ)
ヨーロッパでなぜポピュリズムが台頭しているのか。既存政党が政策面で明らかに失敗していることに対する有権者の幻滅もあるし、「自分たちの立場が無視されていると感じていること」への反動もある。中道右派と中道左派がともにより中道寄りの政策へと立場を見直したために、伝統的な右派勢力と左派勢力を党から離叛させ、いまやポピュリストがこれらの勢力を取り込んでいる。厄介なのは、ヨーロッパが直面する問題はEUの統合と協調を深化させることでしか解決できないにも関わらず、ヨーロッパの有権者たちがこれ以上ブリュッセルに主権を移譲するのを拒絶していることだ。・・・(ブローニング)
多くの人は最近の欧米におけるポピュリスト政党の台頭は「2008年の金融危機とそれに続くリセッションの余波」として説明できると考えている。だが現実には、この現象は、市民の要請に応える政府の対応能力が低下していることに派生している。右派が脅威を誇張しているのに対して、左派の現状認識は間違っていない。問題は右派も左派もその解決策を間違っていることだ。民主政治体制の相対的安定を願うのなら、ポピュリストの不満に対処しつつも、彼らの処方箋では何も解決できないことを認識させる必要がある。(モンク)