印象派が描いたバレリーナたちの背景にあった“悲しい現実”とは? - 世界のビジネスエリートが身につける教養「西洋美術史」 https://t.co/L0YDFgBPA4
— ダイヤモンド・オンライン (@dol_editors) 2017年11月3日
しかし、アメリカ人の思い込みと違い、ドガの描いた当時のバレエの世界は上品な世界からはかけ離れたものでした。とくに第三共和制以降のフランスのバレエの質の低下は著しく、にわか成金男性がバレリーナを愛人にすべく「品定め」に来るような催しに成り果てていたのです。
踊りの上手さは二の次で、美しさのほうが重視されていました。男たちもバレリーナを見るために来ていたのであり、バレエ自体は二の次だったのです。もちろん、バレリーナになったのは貧しい少女たちで、男たちに舞台で見初められて愛人として囲われたのでした。アメリカ人の思い込みに反し、ドガの描いた当時のバレエ界は娼婦の世界とたいして変わりがなかったのです。ドガの描いたバレリーナの背景には、こうした悲しい現実が隠されていたのでした。