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アメリカが開発したもので、大気圏外を高速で飛ぶ弾道ミサイルを追尾できる高性能レーダーと、ミサイルが日本国内に向かってきた場合などに撃ち落とす迎撃ミサイルで構成されます。


防衛省によりますと、イージス・アショアに使用する高性能レーダーは、現在、イージス艦で使用しているレーダーに比べてさらに探知の範囲が広いタイプも検討しているということです。また、迎撃ミサイルは、日米が共同で開発を進めている「SM3ブロック2A」という新型で、イージス艦に搭載されている現在のSM3に比べ、大幅に能力が向上するとしています。


射程が伸びることに加えて、赤外線センサーを使って対象を探知し、自動で向かっていく能力が上がるということです。こうした能力の向上によって、防衛省は現在のイージス艦に比べ防護の範囲が広がるとしています。


イージス艦の場合、日本全域を対象に防護するには3隻必要とされていますが、イージス・アショアだと2基で防護が可能だとしています。また、イージス・アショアは地上に設置するため、海上に展開するイージス艦に比べて隊員の負担が少なく、常時、運用する態勢がとりやすくなるということです。


防衛省は、弾道ミサイルへの備えとして、ふだんはイージス・アショアで対応し、情勢が緊迫した際にはイージス艦を加えて態勢を強化する運用方針を検討しています。

「イージス・アショア」の導入に向けては、課題も多く残されています。イージスアショアを設置する場所を選ぶ際には地元との調整が課題になりますが、レーダーから出される強い電磁波が、健康面のほかテレビや携帯電話など日常生活に影響を与えることがないか懸念されています。


防衛省によりますと、イージスアショアの高性能レーダーは、通常は弾道ミサイルを警戒するため上空に向けられますが、その際、「サイドローブ」と呼ばれる脇に漏れる電磁波による影響が考えられるということです。


イージスアショアを設置するには、少なくとも1平方キロの敷地が必要だということで、周囲に電磁波の影響が考えられる場合は、その程度に応じて防護フェンスや植栽によって防ぐことが検討されているということです。上空を飛行する航空機の計器への影響も考えられるということで、配備場所の上空では一定の範囲で飛行できない区域が設定される可能性もあるということです。


また、性能面の検証も必要です。イージス・アショアに使用する迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」は、現在、日米が共同で開発を進めていて、実証試験が行われています。ことし2月にハワイ沖で行った試験では標的の迎撃に成功しましたが、同じハワイ近海で6月に行った2回目の試験は迎撃に失敗し、迎撃試験の成功率は今のところ50%です。


防衛省は、今後5年以内のできるだけ早い時期での配備を目指し、配備先の候補地で電磁波の調査などを実施していくことにしていますが、導入に当たって課題は少なくありません。

防衛省によりますと、イージス・アショアは、1基当たりの費用が1000億円弱で、配備される迎撃ミサイルも1発当たり10億円を超えると見込まれ、ミサイル防衛のための予算はさらに膨らむことになります。


今回、導入することになったイージス・アショアは、アメリカから「FMS」と呼ばれる契約方法で購入します。FMSでは、重要機密などが含まれる高性能の装備品を購入できるメリットがあるとされていますが、価格の見積もりはアメリカ側が単独で行い、納入の時期が変動するケースもあるなど、アメリカ側が取り引きの主導権を握る内容になります。


防衛省は当初、イージス・アショアの1基当たりの費用を800億円程度と見込んでいましたが、今月になって、1000億円弱になるという見通しを示し、装備の内容によってはさらに高額になる可能性もあります。


また、イージス・アショアには日米が共同開発を進めている新型の迎撃ミサイルが配備される予定ですが、1発当たりの費用は10億円から20億円以上とも言われています。


防衛省は、13年前の平成16年度から弾道ミサイルを追尾するためのイージス艦の改修や、高性能レーダーの整備などを進めていて、ミサイル防衛のための予算の合計は来年度で2兆円を超える見通しです。北朝鮮の核・ミサイル開発や中国の軍事力の拡大などを背景に、ミサイル防衛の予算規模が膨らんでいます。