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 「オセロの世界チャンピオンに、この飛行機をご利用いただいています。じつを申しますと、私」――。ドイツ発成田行きの全日本空輸(ANA)で14日夜(現地時間)の離陸直前、こんな放送が流れ、機内は驚きと拍手に包まれた。横浜市の小学5年、福地啓介さん(11)の世界オセロ選手権、歴代最年少優勝への祝福。アナウンスした機長は、福地さんに破られるまで最年少優勝の記録保持者だった。

 福地さんは12日までチェコの首都プラハで開かれていた第42回大会で優勝し、この便で帰国の途にあった。一方、機長の谷田邦彦さん(51)は、一般社団法人日本オセロ連盟によると、1982年の第6回大会の優勝者。アナウンスでは「以前の記録は私自身が82年に打ち立てた15歳。今回大幅な更新です」とも。

 ANAの広報担当者は「日本選手団の利用を知り、縁のある谷田機長を配置しました。アナウンスは本人の機転」と話した。機内の様子はツイッター上で紹介され、「いい瞬間に立ち会う事ができました」といった乗客らの反響が広がっている。

チェコで開催されていた世界オセロ選手権で、神奈川県に住む小学5年生の福地啓介さん(11)が優勝し、36年ぶりに最年少優勝記録を更新する偉業を成し遂げました。

大仕事を終えた福地さんなど日本の選手団は帰国する際ドイツのデュッセルドルフ発成田行きの便に乗りました。

まもなく離陸するというとき、機内に流れたアナウンスに乗客たちは驚きました。

日本オセロ連盟の工藤浩由専務理事が撮影した動画では、機内アナウンスは「今回のチャンピオン、最年少優勝記録11歳という快挙でございます。この話をぜひ、お客様ともシェアしたく少々お時間をいただきました」などと最年少優勝記録の快挙をたたえる内容で始まります。

続いて機長が自己紹介すると日本の選手団からはどよめきがあがりました。

機内アナウンスをした機長の名前は谷田邦彦さん。

なんと、谷田機長はこれまでの最年少優勝記録の保持者で36年前の15歳のときに世界選手権で優勝したオセロ界で知る人ぞ知る人物だったからです。

谷田機長自身も機内アナウンスで「実を申しますと、以前の記録は私自身が1982年に打ち立てた15歳という記録、今回大幅な更新でございます」などと自分が福地さんの前の最年少記録保持者だと明らかにするとオセロ選手団以外の乗客からも拍手や歓声があがりました。

「なんという偶然」と思いきや航空会社の“粋な計らい”もあったようです。

全日空によりますと日本のオセロ選手団が搭乗することがわかったおよそ1か月ほど前から、谷田機長が帰国便に乗れるよう、調整してきたということです。

谷田機長が日本のオセロ選手団が乗る便を操縦するのは、今回が2回目。

しかしまさか機長の最年少記録が今回、塗り替えられるとは思っていなかったそうです。

全日空では、機長の機内アナウンスの内容について特に禁止事項は設けておらず、今回の谷田機長による祝福のアナウンスは、「機長のオセロへの熱い思いがつまった内容になった」としています。

ネット上でも話題となっていて「これはすごい。すてきなめぐりあわせ」とか「温かな気持ちになりました」という声や、「あのメッセージは祝福でありチャンピオンの継承式のようでもありますね」などという驚きや喜びの声が寄せられています。

日本オセロ連盟によりますと福地さん本人も谷田さんのことを以前から知っていて偉大な先輩のアナウンスを両親と共にとても喜んでいたということです。