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園遊会は、両陛下の主催で、毎年、春と秋の2回、東京の赤坂御苑で開かれています。来年の春の園遊会は、天皇陛下の退位を間近に控えて取りやめられるため、両陛下が園遊会に臨まれるのは最後になりました。

9日は、雨の中の園遊会となりましたが、両陛下は、ふたりで1本の傘を握り、寄り添うようにして招待された人たちと言葉を交わされました。

女性の皇族方は、色とりどりの和服で会場を彩られ、療養中の皇太子妃の雅子さまは、15年ぶりに最後まで行事に臨まれました。

園遊会は、天皇皇后両陛下の主催で、毎年、春と秋の2回、東京の赤坂御苑で開かれています。

両陛下や皇族方が会場の日本庭園を回り、招待された人たちと言葉を交わされます。

園遊会は、明治13年に国際親善のため外交団を招いて開かれた秋の観菊会と翌年に開かれた春の観桜会が前身とされています。

観菊会と観桜会は、戦争の影響で昭和12年の4月を最後に開かれなくなりましたが、戦後、昭和28年の11月に、「園遊会」の名称で新たに開催されるようになりました。

当初は秋にだけ開かれていましたが、昭和40年からは今のように春と秋の年2回になりました。

園遊会に招かれるのは、総理大臣など三権の長や国会議員、都道府県の知事、市町村長、各界の功績者、それにそれぞれの配偶者などで、毎回、2000人を超えます。

このうち各界の功績者は、産業や文化、芸術などの分野で功労のあった人で、各省庁が推薦します。

勲章や褒章などを受けた人たちのほか、オリンピック・パラリンピックのメダリストなどのスポーツ選手や、芸能人、文化人などさまざまで、その時々の世相をあらわす人たちが、園遊会を華やかに彩ります。

来年の春の園遊会は、天皇陛下の退位を間近に控えて取りやめられるため、両陛下が園遊会に臨まれるのは今回が最後になります。

園遊会の招待者に決まると、金ぱくがほどこされた菊の御紋入りの招待状が届きます。招待状が入った封筒には、会場に入るためのチケットにあたる「参入券」のほか、受付時間や会場の地図が記された案内の紙が同封されています。

案内の紙には服装についても記されていて、男子は、モーニングコート、紋付羽織袴、制服、または背広、女子は、デイドレス、白襟紋付、または訪問着などと指定されています。

また、ただし書きとして「荒天時は中止」と書かれていますが、平成に入ってから、天候を理由に中止になったことはありません。

園遊会の当日、招待された人たちは、午後1時から午後1時50分までの間に、赤、桃、緑、黄といった「参入券」の色に応じて、指定の門から赤坂御苑に入ります。

受付で「参入券」を出して名札を受け取り、胸元などにつけます。

招待された人たちは、一般の人は原則入ることができない赤坂御苑の日本庭園で、5つの池の周りを囲む玉砂利の敷かれた散歩道を自由に散策することができます。

春は新緑を、秋は紅葉を楽しむことができます。

会場では、宮内庁楽部の楽師が雅楽を、また、皇宮警察本部の音楽隊が民謡などを演奏します。

さらに、ジンギスカンや焼き鳥のほか、サンドイッチや洋菓子などが、ジュースや酒などとともにふるまわれます。

招待された人たちは、食事や会話を楽しんだり、写真を撮ったりして、思い思いの時を過ごします。

午後2時すぎに両陛下が会場に到着し、皇族方と丘の上に並ばれると、皇宮警察本部の音楽隊が「君が代」を演奏し、はじめに総理大臣や最高裁判所長官らが両陛下や皇族方にあいさつをします。

そして、両陛下が皇族方と丘から下り、2つの池の間にある中島通りをゆっくりと歩きながら、およそ40分間、通り沿いに並んだ招待者と言葉を交わされます。

招待された人たちから両陛下や皇族方に話しかけるのは禁止されているわけではありませんが、行わないことが慣例になっているため、両陛下や皇族方から言葉をかけてもらえればと、早くから前列に並ぶ招待者の姿も見られるということです。

両陛下は午後3時ごろ、会場を離れられます。その後も園遊会は続きますが、午後4時ごろ、終了を告げるアナウンスが会場に流れます。

招待者には、会場をあとにする際、お土産として、菊の御紋の焼き印が入った和菓子が手渡されます。

園遊会の会場では、あちらこちらにテントが設けられ、さまざまな料理が、お茶やジュース、酒などとともにふるまわれます。

サンドイッチやオードブルなど、都内の有名ホテルが手がける軽食のほか、メイン料理の1つで招待された人たちに人気なのがジンギスカンです。

栃木県にある皇室専用の御料牧場で育った羊の肉が使われていて、宮中晩さん会などで提供されることがありますが、ふだん、一般の人が口にすることはないということです。

このジンギスカン、特徴は「たれ」にあります。

天皇皇后両陛下や皇族方の日々の食事を支える宮内庁大膳課の職員が考案したもので、しょうゆや日本酒、野菜、果物、それにスパイスなどおよそ30種類をブレンドして、3年間、熟成させたということです。

また、御料牧場で育った国産の鶏の品種「はりま」の肉を使った焼き鳥も人気があるといいます。

羊の肉と鶏肉の料理をメインにしているのは、招待者が宗教上の理由から食事を楽しめないことがないようにという配慮からだということです。

招待者が会場を後にする際には、お土産として和菓子が手渡されます。

この和菓子は、あんを、どら焼きに似た皮で包んだもので、菊の御紋の焼き印が入っています。

宮内庁大膳課では全員の分を作りきれないため、都内の老舗和菓子店に作ってもらっているということです。

この店では、予約に限って一般にも販売していますが、園遊会で配られるものとは、菊の御紋の形を変えているということです。