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中国の習近平国家主席20日、フィリピンを訪問して首都マニラでドゥテルテ大統領と会談しました。

この中で両首脳は、マニラとルソン島南部を結ぶフィリピン国有鉄道の再建や、マニラ首都圏に水を供給するダムの建設など、インフラ整備を中心に、29件の経済支援に関する合意文書に署名しました。

さらに、これまで領有権を争ってきた南シナ海で、石油や天然ガスを共同で探査することに関する覚書を交わしました。ただ、この覚書の詳しい内容は明らかになっておらず、また法的な拘束力はないということです。

フィリピンはおととし、南シナ海をめぐって中国が主張する管轄権を全面的に否定する国際的な仲裁裁判の判断を勝ち取っています。

しかし、ドゥテルテ大統領はこの判断を棚上げすることで、中国から経済支援を引き出して資源開発やインフラ整備を進めたい考えです。

一方の中国も、南シナ海問題で最も強硬姿勢だったフィリピンを取り込みたい立場で、双方の利害が一致した形です。

南シナ海のうち、中国とフィリピンが領有権を争ってきた海域には、石油や天然ガスなどの資源が豊富にあるとされ、両国は過去にも共同で探査することを検討しました。

2004年から翌年にかけて、フィリピンのアロヨ大統領は、中国の胡錦涛国家主席と会談を重ね、両国の国営石油会社がベトナムの国営石油会社も交えて共同で資源探査を行うことに合意しました。

しかし、次のアキノ大統領は南シナ海への進出を活発化させる中国への反発を強め、2012年には南シナ海での資源探査に関連する活動を一切停止することを決めました。

さらに2013年には、中国が南シナ海のほぼ全域の管轄権を主張しているのは国際法上、認められないとして国際的な仲裁裁判を申し立て、2016年、中国の主張を全面的に否定する判断を勝ち取りました。

ところが、中国からの経済支援を重視するドゥテルテ大統領はこの判断を棚上げし、再び、中国との共同資源探査に前向きな姿勢を示しています。

ことし2月には、両政府が共同探査の方法について協議する政府間パネルを立ち上げることで合意。さらに8月には、資源の取り分をフィリピン6割、中国4割とする提案をフィリピン側から行うなど、共同資源開発の実現に向けて積極的な姿勢を示していました。

https://d1021.hatenadiary.jp/entry/2018/11/20/200230(中国外相「ある国が固執」APECめぐり米を暗に強く批判)

トランプ政権は、中国がアメリカのハイテク技術を不当に入手しているとして、中国からの合わせて2500億ドルの輸入品に高い関税を上乗せする一方、中国も対抗措置を発動し、対立が深まっています。

こうした中、アメリカ通商代表部は20日、通商法301条に基づいて、知的財産権の侵害などに関する新たな報告書を公表しました。

この中で「中国は、技術移転や知的財産権などに関する政策や慣行を根本的に変えていない。実際、この数か月間、さらに不合理な行動をとってきたようだ」と指摘しました。

これについてライトハイザー通商代表は、声明で「中国は、市場をゆがめる不公正な慣行を変えていない」と述べて、中国の姿勢を批判しました。

トランプ大統領と中国の習近平国家主席は、来週アルゼンチンで開かれる主要20か国の首脳会議、G20サミットに合わせて首脳会談を行う見通しです。

これを前に、トランプ政権は改めて厳しい姿勢を打ち出した形で、首脳会談で、対立の緩和に向かう糸口を見いだせるか不透明な状況が続きます。