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台湾全土の22の市長や知事などを決める統一地方選挙は、1年余りあとに行われる総統選挙の前哨戦とされ、与党・民進党は、高雄や台中など13あったポストを7つ減らして大敗し、最大野党・国民党は、6つのポストから9つ増やして大きく躍進しました。

このうち、20年間、民進党が担ってきた高雄市長に当選した国民党の韓国瑜氏は、「台湾の民主史上、すばらしい一幕だ」と勝利を宣言しました。

今回の選挙は、蔡英文政権による年金などの改革に対する強い反発に加え、民進党政権に批判的な中国からの厳しい締めつけで先行きが不透明となる中、蔡政権への不満が表れた形となりました。

選挙で大敗したことを受けて、蔡総統は記者会見を開き、「一緒に頑張ってくれたすべての支持者たちを失望させたことに心から謝罪しなければならない」と述べて、責任をとって党のトップを辞任しました。

蔡総統は、総統の職にはとどまりますが、党のトップを辞任したことで1年余りあとに迫る総統選挙の立候補への道が閉ざされる可能性が高まり、求心力の低下は避けられない状況です。

最大野党、国民党の呉敦義主席は24日の夜、党本部で、現有ポストを大幅に増やした選挙結果について支持者らへの感謝のことばを述べました。このあと、呉主席は記者団に対し、「両岸関係ができるだけ早く平和と安定を取り戻すよう望む」と述べて、中国との関係を改善する必要性を訴えました。

台湾では24日、統一地方選挙に合わせて10件の住民投票が行われ、このうちの1件では、2020年の東京オリンピックパラリンピックに、これまで使われてきた「チャイニーズ・タイペイ」ではなく、「台湾」という名称で参加を申請するかどうかについてその賛否を問いました。

その結果、反対票が賛成票を100万余り上回り、住民投票は成立しませんでした。今回の住民投票をめぐってはIOC=国際オリンピック委員会が「チャイニーズ・タイペイ」という名称は、1981年に台湾側も合意の上で決められたものだとして、変更を認めない方針を示していました。

また、同性婚の法制化をめぐって、賛成派と反対派の双方から住民投票が提案されていましたが、同性婚の反対派が提案した、同性どうしの結婚について「民法で定める結婚は男女に限るべき」と、「民法以外で規定すべき」という2件の住民投票が賛成多数で成立しました。

台湾では去年、同性どうしの結婚を認めていない民法の規定は憲法違反だとして、2年以内に同性婚を法制化するよう求める憲法判断が示されていて、住民投票の結果を受けて、当局がどのように対応するのか注目されます。

#LGBT

台湾では24日、統一地方選挙に合わせて10件の住民投票が行われ、このうちの1件では、東京電力福島第一原発の事故のあとから続く福島県など5つの県からの食品の輸入規制の継続についてその賛否を問いました。

その結果、賛成が779万票余りと、反対のおよそ223万票を大きく上回った上、有権者の25%以上の得票が必要という条件を満たして成立しました。

これを受けて台湾当局は、今後2年間は住民投票の結果を尊重した政策の推進を求められることになります。

台湾では、去年の法律改正で住民投票の請求や成立のための条件が緩和され、今回、初めての成立となりました。

日本政府は、日本から輸出される食品は放射性物質の検査が厳しく行われていて、安全性に問題はないとして規制の解除を求めてきましたが、実現は当面、難しい状況になりました。

中国政府で台湾問題を担当する国務院台湾事務弁公室の馬暁光報道官は25日、国営の新華社通信を通じてコメントを発表し、「中台関係の平和的な発展の利益を享受し経済と生活の改善を望む台湾の人々の強い願いを反映したものだ」として選挙結果を評価しました。

さらに「『台湾独立』の分裂勢力や活動には断固として反対を続ける」と強調したうえで「中台関係への正確な認識を基礎としてより多くの台湾の都市が中台の交流に参加することを歓迎する」として、国民党が市長ポストなどを握る都市とは協力を進める考えを示しました。

中国政府としては、独立志向が強いとみなす民進党蔡英文政権をけん制する一方、中国との関係改善の経済的な利点を強調することで、台湾の世論の取り込みを図る狙いもあるとみられます。