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来年の天皇陛下の退位と皇太子さまの即位に向けて、政府の準備委員会は30日午前、総理大臣官邸で3回目の会合を開き、一連の式典の基本方針を取りまとめました。


それによりますと、式典は、憲法の趣旨に沿うとともに、皇室の伝統などを尊重することとしたうえで、昭和から平成への代替わりに伴う式典は現行憲法下で十分な検討が行われており、基本的な考え方や内容は踏襲するとしています。


憲政史上初めて行われる天皇陛下の退位の儀式は、「退位礼正殿の儀」という名称で、来年4月30日に憲法で定める国事行為として行うとしています。


皇太子さまの即位の儀式は、前例と同様に5つの儀式を国事行為として行います。
このうち、即位される5月1日には、新天皇が歴代天皇に伝わる剣や曲玉などを受け継ぐ「剣璽等承継の儀」を行ったあと、即位後、初めて国民の代表に会われる「即位後朝見の儀」を行うとしています。


さらに、即位に伴う一連の儀式の中心で、新天皇が即位を内外に宣言する儀式「即位礼正殿の儀」は来年10月22日に開催し、同じ日に、パレードにあたる「祝賀御列の儀」を行うほか、日付は未定なものの、祝宴にあたる「饗宴の儀」を行うとしています。


このほか、総理大臣夫妻主催の晩餐会が来年10月23日に開催されるほか、即位後、初めて、天皇が、新しく収穫された米などを神々に供えたうえで、みずからも食べ、国と国民の安寧や五穀豊穣などを祈る「大嘗祭」について、費用を皇室の公的な資金である宮廷費から支出するなどとした前例を踏襲し、皇室行事として行うとしています。


また、天皇陛下が来年1月7日にご在位30年を迎えられることを記念して、内閣の主催で来年2月24日に記念式典を開催することや、秋篠宮さまが皇位継承順位1位を意味する「皇嗣」になられることを広く国民に明らかにする「立皇嗣の礼」を再来年に国事行為として行うことも盛り込まれました。


政府は、こうした式典を円滑に実施するため、ことし秋をめどに、総理大臣を委員長とする「式典委員会」と、官房長官を本部長とする「式典実施連絡本部」を設置するとしています。


政府は、こうした基本方針の内容を、来月3日の閣議で決める方針です。

皇太子さまの「即位の礼」のうち、祝宴にあたる「饗宴の儀」について、時代に即して、皇太子ご夫妻の負担軽減と簡素化をどのように図るのかが課題です。


前回は、4日間にわたり合わせて7回行われ、およそ2900人が出席しました。さらに、即位に伴う5つの儀式を国事行為とすることや、天皇が即位後、初めて新しく収穫された米などを神々に供え、国の安寧などを祈る皇室行事「大嘗祭」の費用を、宮内庁が管理する「宮廷費」から支出することについて、憲法政教分離の原則に反するなどという意見もあり、今後、議論となる可能性もあります。


このほか、「即位の礼」の一連の儀式に、上皇になられた天皇陛下が出席されるかどうかも焦点の1つです。
政府内では、上皇になられた陛下が出席されれば、みずからの意思で皇太子さまに皇位をお譲りになったと受け取られかねず、憲法に抵触するおそれがあるなどという指摘もあり、慎重に検討が進められる見通しです。

30日、政府の準備委員会が基本方針を決定したことで、退位や即位に関するスケジュールの全体像が見えてきました。
基本方針の内容は、来月3日の閣議をへて、正式に政府の方針になります。


ことし秋には、式典の内容をより詳細に固めるため、総理大臣を委員長とする「式典委員会」と、官房長官を本部長とする「式典実施連絡本部」が設置されます。


来年は、まず、1月7日に天皇陛下がご在位30年を迎えられ、2月24日に政府が記念式典を開きます。そして、4月30日に憲政史上初めてとなる退位の儀式「退位礼正殿の儀」が行われます。


その後、日付が5月1日になった瞬間に、天皇陛下は退位されて上皇となられ、皇太子さまが新天皇に即位されます。
同じ5月1日には、新天皇が歴代天皇に伝わる剣や曲玉などを受け継ぐ「剣璽等承継の儀」と、即位後、初めて国民の代表に会われる「即位後朝見の儀」が行われます。


5月1日に行われる2つの儀式は、昭和天皇崩御して天皇陛下が即位された際は別の日に行われましたが、今回は、即位の日付が決まっていて事前に準備もできることから、同じ日に行われることになりました。


そして、10月22日に、即位に伴う一連の儀式の中心で、新天皇が即位を内外に宣言する儀式「即位礼正殿の儀」が行われ、同じ日にパレードにあたる「祝賀御列の儀」が行われます。


また、日付は未定ですが、10月22日以降に、祝宴にあたる「饗宴の儀」が行われ、10月23日には、総理大臣夫妻主催の晩さん会も開かれます。
さらに、11月には、皇室行事の「大嘗祭」が行われます。


このほか、再来年には、秋篠宮さまが皇位継承順位1位を意味する「皇嗣」になられることを広く国民に明らかにする「立皇嗣の礼」も行われる予定です。


宮内庁は、30日に取りまとめられた主要な儀式の基本方針について、皇室の伝統を尊重しつつ時代にふさわしいものになったと受け止めています。


新年度予算には、儀式で使う装束や道具類の調達のため16億5000万円余りが盛り込まれていて、4月以降、儀式に向けた準備を本格化させる方針です。


主なものとしては、古くから天皇の儀式での装束とされる「黄櫨染御袍」など、儀式の出席者の装束などを発注するほか、「即位礼正殿の儀」で天皇がのぼる「高御座」などを保管先の京都御所から東京まで運んで修繕することにしています。


また、来年11月に皇室行事として行われる予定の「大嘗祭」について、中心的な儀式の「大嘗宮の儀」の次第のほか、そのほかの儀式の日程や次第についても検討を進めることにしています。


一連の儀式の実施に向けて、ことし秋をめどに、総理大臣を委員長とする「式典委員会」などが設置されることになっていて、宮内庁も、これに合わせて独自に委員会を設け準備を進めていくことにしています。


このうち、天皇陛下の退位の儀式の検討にあたり、宮内庁は、過去の天皇の実例などについて詳しく調べた結果を準備委員会に示しました。


それによりますと、最後の例である今から200年前の光格天皇の儀式は、関白や左大臣が参列する中、譲位後の住まいで厳粛かつ簡素に行われ、天皇の使いが、皇位を譲る天皇の意思をあらわした「譲位の宣命」を読み上げました。


宮内庁は、天皇陛下の退位の儀式について、象徴天皇制を定めた憲法の趣旨に沿いつつ皇室の伝統も尊重したものとする方向で、内閣官房などと協議を重ねてきました。


その結果、皇居・宮殿の「松の間」に三権の長など国民の代表が参列して厳粛かつ簡素に儀式が行われることや、「譲位の宣命」はなく、総理大臣が特例法に従って天皇陛下が退位することを述べたあと、天皇陛下がおことばを述べられる見通しになりました。


これについて宮内庁は、「皇室が伝統としてきたものの基本を守りながら、現代の象徴天皇にふさわしいものになると思う」としています。

一方、儀式の日程について宮内庁は、準備委員会の場で、天皇陛下の即位にあたり「即位礼正殿の儀」が行われた平成2年11月12日から、一連の儀式が終了した12月6日までの期間に、天皇皇后両陛下が、すべての土曜日と日曜日を含め休みなく儀式や行事に臨まれたことなどを説明しました。


そのうえで、新たに即位する皇太子さまと雅子さまの負担を考慮して、「即位礼正殿の儀」を早めに行い、「大嘗祭」までの日程に余裕を持たせるよう求めていました。


今回、取りまとめられた基本方針で、「即位礼正殿の儀」は来年10月22日に行われることになりました。


宮内庁は、「大嘗祭」の中心的な儀式である「大嘗宮の儀」を来年11月14日から15日にかけて行う方針で前回は10日間しかなかった2つの儀式の間隔が、今回は3週間余りに広がることになりそうです。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20180323#1521801382


大嘗祭」は、天皇が即位後初めて、新しく収穫された米などを天照大神とすべての神々に供えたうえで、みずからも食べ、国と国民の安寧や五穀豊穣などを祈る儀式です。


皇位継承に伴う一世に一度の重要な儀式とされ、7世紀後半の天武天皇の時代から、歴代の天皇が即位後に「大嘗祭」を行うことが皇室の伝統となっています。


関係者によりますと、宮内庁は中心的な儀式の「大嘗宮の儀」を来年の11月14日の夕方から15日の夜明け前にかけて皇居・東御苑に設営した「大嘗宮」で行う方針を固めたということです。


宮内庁は、「大嘗宮の儀」の次第や大嘗祭のもう1つの中心的な儀式で、新しい天皇大嘗祭の参列者をもてなす「大饗の儀」の日程や次第などについても、本格的な検討を進めることにしています。

大嘗祭(だいじょうさい)」は、天皇が即位後初めて、新しく収穫された米などを天照大神とすべての神々に供えたうえで、みずからも食べ、国と国民の安寧や五穀豊穣などを祈る儀式です。


毎年11月に行われる「新嘗祭(にいなめさい)」を即位後初めて大規模に行うもので、皇位継承に伴う一世に一度の重要な儀式とされています。


7世紀後半の天武天皇の時代から歴代の天皇が即位後に大嘗祭を行うことが皇室の伝統となってきました。
中心的な儀式である「大嘗宮の儀」は「大嘗宮」と呼ばれる特別に設営された建物で、夕方から翌日の夜明け前にかけて行われます。


平成の「大嘗祭」は、昭和天皇崩御に伴う1年間の喪が明けてから準備を始めたため、「大嘗宮の儀」は、天皇陛下の即位から2年近くがたった平成2年の11月22日から23日にかけて皇室の行事として行われました。

「大嘗宮(だいじょうきゅう)の儀」は大嘗祭の中心的な儀式で、特別に設営された「大嘗宮」と呼ばれる建物で行われます。


「大嘗宮」は、儀式を行う「悠紀殿(ゆきでん)」と「主基殿(すきでん)」、天皇が身を清めて白い装束を着る「廻立殿(かいりゅうでん)」などの建物からなり、天皇陛下の即位の際には、皇居の東御苑に建てられました。


儀式は、夕方から夜にかけて「悠紀殿」で行われたあと、翌日の未明に「主基殿」で行われます。


儀式の次第は、平安時代の儀式書「貞観儀式」や、明治時代に制定された旧皇室令の「登極令」などに記されています。


平成の「大嘗宮の儀」も皇室の長い伝統にのっとって行われ、天皇陛下が新しく収穫された米などを天照大神とすべての神々に供えたあとみずからも食べる「直会(なおらい)」を行われました。

「大饗(だいきょう)の儀」とは「大嘗宮の儀」のあと、天皇が参列した人たちを招いて催す饗宴です。


「大嘗宮の儀」と並ぶ大嘗祭の中心的な儀式で、平安時代の儀式書「貞観儀式」などにも記されています。


天皇陛下の即位の際は、「大嘗宮の儀」の翌日の平成2年11月24日から2日間にわたって、合わせて3回行われ、三権の長や閣僚、それに国会議員などおよそ730人が参列しました。


会場となった皇居・宮殿の「豊明殿(ほうめいでん)」では、占いで決められた「悠紀(ゆき)」地方と「主基(すき)」地方の米で造られた「白酒(しろき)」と「黒酒(くろき)」と呼ばれる酒がふるまわれ、皇室に古くから伝わる舞が雅楽の演奏に合わせて披露されました。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20180311#1520766256


平成の「大嘗祭」は、戦後の新しい憲法の下で初めて行われ、政教分離の原則との整合性をめぐって、さまざまな議論が生じました。


一部の学者や市民グループは、大嘗祭神道に基づく宗教的儀式で、政府が関わるのは信仰を助長することになり、政教分離を定めた憲法に違反すると主張しました。


そのうえで、実施する場合は国事行為でなく皇室の私的儀式とすべきで、費用は天皇の生活費などに充てられる「内廷費」から支出すべきだという意見が出されました。


政府は、有識者から意見を聴くなどして、大嘗祭の位置づけや予算措置などについて検討を進めた結果、「宗教上の儀式としての性格を有すると見られることは否定することができず、国事行為として行うことは困難だ」とする見解をまとめました。


そのうえで、「一世に一度の極めて重要な伝統的皇位継承儀式であり、皇位世襲制をとるわが国の憲法の下においては、その儀式について国としても深い関心を持ち、その挙行を可能にする手だてを講ずることは当然と考えられる」として、費用は皇室の公の行事などに充てる「宮廷費」から支出することが妥当だとしました。


これに対し、反対する学者や弁護士などが各地で集会を開き抗議の声を上げました。
また、知事などが大嘗祭に参列したのは、政教分離を定めた憲法に違反するという訴えが、各地の住民によって起こされました。


この裁判では、最高裁判所が知事らの参列について「宗教と関わりを持つ行為だが、社会的な儀礼の範囲内であり、特定の宗教を援助したわけではないので、憲法には違反しない」とする判断を示しています。


一方、近畿地方の住民などが大嘗祭に国費を使うのは憲法違反だと訴えた裁判で、大阪高等裁判所は、支出がすでに終わっていることなどを理由に訴えを退けましたが、判決の中で「国費の支出は、国家神道を助長するような行為として憲法に違反するのではないかという疑いは一概には否定できない」と指摘しました。